新説 とある学園の死闘遊戯
□第05話 侵
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世界中から学園都市に集結した妹達は、窓のないビルから発令された命令を遂行する。
命令は、学園都市を完全に破壊すること。
新たな学園都市を作り直すため、アレイスターは学園都市を完全にリセットするつもりなのだ。
上条当麻「原子崩しの話じゃ、その可能性が一番高いみたいなんだ」
一方通行『クソッタレがァ!! ナメたマネしやがってッ!!』
土御門元春「それが本当なら、何がなんでも止めなくちゃならないぜ」
垣根帝督「当たり前だ」
手塚義光「やれやれ。統括理事長も結局は“人間”なんだな……。とんだ馬鹿を思いついたもんだ」
高山浩太「学園都市の住人を、無差別に殺しつくすとはな……。正気ではないのだろう」
冷静な様子が窺えるが、冷や汗を流していない者はいないだろう。
何としても、学園都市崩壊の危機は避けなければならない。
上条当麻「そのためには、まず“窓のないビル”の内部に入るしかないか……」
一方通行『上条、体ァ貸せ』
上条当麻「お、おぅ」
一方通行が、上条に憑依する。
再び黒髪が灰色に染まり、瞳孔が赤くなる。
土御門元春「戻ったか、一方通行」
上条当麻「まァな。つっても、見えてねェだけでさっきからここにいたけどよ」
一方通行も輪に戻ったところで、手塚が口を開いた。
手塚義光「“写メ野郎”に返信してみたらどうだ?」
高山浩太「俺も同感だ。何者かは分からないが、この写メが撮れている以上、何かしら情報を持っているはずだ。それに、少年に写メを送っていることから、こちらに協力してくれる可能性も期待できる」
不用意に返信するのは警戒するべきだが、状況の方が問題だ。
小さくても、打開できる可能性があるのなら掴むべきだと判断した。
上条当麻「……返信するぞ。構わねェな?」
−−−−『おぉ、頼んだ』
第七学区の小さな診療所。
いまだに眠る美琴を預け、白井と初春は風紀委員の活動に戻る。
診療所を出て、黒い侵入者との交戦に加わるために。
その後ろ姿を、いつもの人影が見送っていた。
????「…………」
その時、携帯から受信音が鳴りだした。
開いてみれば、上条からメールである。
????「…………?」
内容は、今現在で持ち合わせている事件に関する情報を提示してほしい。
その上で名乗るつもりがあるのなら名乗ってほしい。
以上の二つだった。
????「………ふっ…」
人影は、少しだけ笑う。
そしてカチカチと、返信文を打ち込んでいった。
黒い侵入者が銃器で警備員を攻撃していく。
反撃の隙を与えず、警備員は防御に専念するしか打つ手がない。
黄泉川愛穂「クソッ! これじゃどうにもならないじゃんか!!」
住人の非難は80%ほど完了していたが、100%でなければ意味がない。
既に流れ弾が当たり、病院に運ばれた者や即死者も出てしまっている。
黄泉川愛穂(警備員のくせに……、子供たちを守ることが、できないのかッ!!)
悔し涙を浮かべる黄泉川の前方。
黒い侵入者は、ただ呟き続ける。
その中には、黒いマスクを被っている御坂妹も加わっている。
御坂妹「敵・排除」
その表情は、マスクに隠れて見ることは出来ない。