新説 とある学園の死闘遊戯
□第06話 閉
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アレイスターは静かに微笑む。
アレイスター『どうやら、外部から侵入してきたらしいな……。この反応は……、一方通行……?』
相変わらずの微笑に、驚愕の色はない。
アレイスター『生きているわけではないらしいな……。問題ない。私は止まってやるつもりはないのだから……』
学園都市の崩壊は止まらない。
新しく作り直すための計画は、もう引き返す選択肢を通り過ぎてしまっている。
アレイスター『侵入者は、六人か……。どうせならば、歓迎してやるのが約束というものだ』
アレイスターは、とある遊びを企てる。
忘れることのない、一連の元凶となる悪夢の遊びを……。
アレイスター『さて、久方ぶりのショータイムだ。楽しませてもらうとしよう……』
一方通行は目を覚ました。
見知らぬ部屋。
その室内の寝台の上にて。
一方通行(……何が起きたってンだ……)
上体を起こすと、ある物が目についた。
手元にあるのは、見覚えのあるPDA。
一方通行(……ッ!? ま、まさかッ!?)
画面を見てみれば、見知ったものが映し出されている。
≪クラブのA:黒の最強≫
一方通行(間違いねェ、トランプを模したPDAが意味することなンざ一つしか思い当たらねェ! だが、その後の“黒の最強”ってのは何なンだ……?)
疑問を抱きつつ、首元を確かめる。
当たり前のように、金属の感覚があった。
一方通行(やっぱりか……。この首輪にPDA。分からねェこともあるが、一つだけ確かなことがありやがる……)
一方通行「クソ野郎がッ! くだらねェゲームを、また始めやがったッ!!」
この感覚は忘れるはずがない。
この短期間で、忘れてしまう方が異常だ。
一方通行は、もう知っている操作方法通りにPDAを操作する。
やはり、今回にも“ルール”があった。
@参加者は十三人。全プレイヤーが“窓のないビル”に侵入した瞬間にゲーム開始とする。
A開始の合図は、PDAのアラームが鳴るものとする。このアラームは、そのPDAの持ち主が画面に触れることで解除される。
B目的は“窓のないビル”からの脱出であり、時間制限はない。与えられたPDAに記載されているキーワードが、脱出の鍵となる。
C五つ全てのルールは、十三人全員のPDAに記載されている。
DPDAの種類は以下の通りである。
一方通行(何が“ルール”だ、クソッタレがァ。ただの遊戯じゃねェか)
そう思いつつも、状況から無視はできないため、先にあるPDAの種類に目を通す。
A:黒の最強
2:赤の食器
3:紫の幻想
4:緑の衣服
5:桃の香水
6:青の鉛玉
7:灰の心臓
8:金の銃器
9:黄の鏡台
10:橙の革靴
J:藍の刀剣
Q:茶の意識
K:白の身体
一方通行「………何だこりゃ…」
それは、キーワードとしては謎の多い単語ばかりが並べられていた。
一方通行(共通してンのは“色”だけか……。だが、これが一体何だってンだ……)
意味不明な現状に、首を傾げずにはいられない一方通行。
そして、疑問が尽きない状況に頭を悩ませているのは、ここにいる一方通行だけではなかった。