新説 とある学園の死闘遊戯

□第SS話 泡
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 アレイスターが蒸発し、一方通行が新たな学園都市統括理事長の座に就いた。

 新たな学園都市として、死闘遊戯による崩壊箇所の修理費として、一方通行は20億を用意した。

 現在、大工事が進む中で学園都市は元の姿を少しずつ取り戻していく。



 そんな中で、一方通行までもが蒸発してしまった。



 統括理事長の消失に、不安や驚愕を表す者も少なくない。







 学園都市、第七学区のファミレス。

 青髪ピアスと佐天涙子が席を並べていた。

佐天涙子「はい。木山先生から預かってきました」

青髪ピアス「おおきに」

 手渡されたのは、数枚程度の資料と一つのPDA。

 そこには“窓のないビル”内部で起こった死闘遊戯のPDAが、一覧で記載されていた。

青髪ピアス「一方通行が“黒い最強”で土御門君が“黄の鏡台”……。ボクの“青の鉛玉”の意味も結局分からず終いかぁ……」

佐天涙子「そんなこと解析させてたんですか?」

青髪ピアス「ちょっと興味があったんよ。他意はあらへん」

 青髪ピアスの持つ資料には、木山春生の解析によって解明したPDAの持ち主が記載されていた。



 クラブA“黒の最強”、一方通行

 ダイヤ2“赤の食器”、高山浩太

 ハート3“紫の幻想”、インデックス(偽者)

 ハート4“緑の衣服”、上条当麻

 ダイヤ5“桃の香水”、初春飾利(偽者)

 クラブ6“青の鉛玉”、青髪ピアス

 クラブ7“灰の心臓”、アレイスター

 スペード8“金の銃器”、土御門舞夏(偽者)

 スペード9“黄の鏡台”、土御門元春

 ダイヤ10“橙の革靴”、手塚義光

 スペードJ“藍の刀剣”、方向転換

 ハートQ“茶の意識”、打ち止め

 ダイヤK“白の身体”、鈴科百合子



青髪ピアス(偽者はメルヘン君の彼女さんまでおったんか……。表側にいてくれて良かったぁ……)

佐天涙子「ん? どうしたんですか?」

青髪ピアス「いや、別に……」

 しかし、資料に目を通しても分かることはPDAの種類と持ち主の名前くらいで、脱出方法までは分からなかった。

青髪ピアス「最後の最後で謎のままなんやなぁ……」

 席を立ちあがった青髪ピアスは店を出ていく。

 佐天は追う素振りを見せない。

 非公認暗部組織“バブル”とは、そういう行動が慣れている。

佐天涙子「あ、さり気なく奢ってる。気にしないでって言ってるのに……」

 でも、リーダーは少しだけ(?)女子に甘い。







 カエル顔の医者の病院。

 上条当麻は入院していた。

 アレイスターとの戦いで、全身がズタズタなのだ。

土御門元春「カーミや〜ん! 邪魔するぜ〜い」

上条当麻「土御門……。もう傷は大丈夫なのか?」

 そして土御門も、同じく入院していた。

 脇腹に刺傷を負っていたが、今は回復しているらしい。

土御門元春「こっちは問題ない。あとは義眼の完成を待つだけですたい」

上条当麻「……そっか」

 上条と土御門は、死闘遊戯にて片目を失っている。

 土御門は義眼を持ったが、上条は義眼を拒んだ。

 故に、上条の顔には黒い眼帯があった。

土御門元春「……まだ不便か?」

上条当麻「いや、もう慣れた」

 あの悪夢を忘れないために、上条当麻はその身に傷跡を残した。
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