我ら、篠原家!

□プロローグV 「母親」
1ページ/4ページ


 “田中亮助”は路地裏に座り込む。

薄暗い空間で膝を抱え込み、心を固く閉ざしている。

彼は、どんな人にも愛情を持って、一人一人と大切に接してきた。

人が好き。

それだけの純粋な感情なのだが、それ故の問題が一つだけあった。

 “自分が与えた愛情以外に、心を動かされる事象の存在”。

彼は、それだけが気に入らなかった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ