我ら、篠原家!
□プロローグV 「母親」
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“田中亮助”は路地裏に座り込む。
薄暗い空間で膝を抱え込み、心を固く閉ざしている。
彼は、どんな人にも愛情を持って、一人一人と大切に接してきた。
人が好き。
それだけの純粋な感情なのだが、それ故の問題が一つだけあった。
“自分が与えた愛情以外に、心を動かされる事象の存在”。
彼は、それだけが気に入らなかった。
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