我ら、篠原家!
□絶対王者編 「王様」
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香澄「……なッ!? 何、これ……!?」
しばらくして、騒ぎを聞きつけてやってきた香澄は、五人を見つけ出した。
彼らは皆ボロボロに負かされ、辺りはメチャクチャに荒れている状況で……。
文哉「…ン……、グゥ……」
香澄「文哉!?」
まだ意識があったらしく、身じろいだ文哉に駆け寄る香澄。
香澄「何があったの!? 何で、みんなが……」
文哉「……わ、分から、ない……。ただ……」
香澄「……“ただ”?」
香澄は、文哉から一部始終を聞きだした。
遊里「遅いなぁ……」
いまだに皆を待ち続けている遊里は、休憩所から離れられずにいた。
ここを離れたら、もしも行き違いになった場合が面倒だからである。
すると、不意に後ろから声を掛けられる。
治郎「失礼。篠原家の方ですかな?」
遊里「へ?……あ、はい。……そうですけど……」
治郎「そうでしたか……。では……」
香澄「遊里ぃ!!!! 逃げてぇ!!!!」
香澄の声が、遊里の耳に届いた瞬間……。
“死ね”という治郎の声と共に、その場が突然に爆発を起こした。
普通の人間ならば、重傷は免れないだろう……。
そう……
“普通の”人間ならば……。