とある学園の死闘遊戯 罪
□第02話 病院
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常盤台中学の超電磁砲。
御坂美琴が姿を消した。
その事実が一方通行たちの耳に入るのは、終結から一夜明けてのことだった。
ここは、第七学区の病院内。
カエル顔の医者が務めている病院だ。
一方通行「超電磁砲はまだ入院中だったのか」
上条当麻「俺と似たようなもんさ。もう退院できるけど、万が一に備えてもうしばらく、って感じだな」
土御門元春「人工舌も完成し、既に自由に話せてた。来週から、やっと常盤台に戻れるはずだったんだがなぁ」
美琴は、人体発火事件にて舌を完全に焼け落としていた。
人工舌の治療と精神治療で入院していたものの、回復には向かっていたらしい。
一方通行「どォ思う?」
土御門元春「今現在多発している“女性失踪事件”との関係性か? 大いにあり得ると思うぜい」
目の前の扉が開き、二人の少女が顔を出した。
二人ともが常盤台中学の制服を着ており、片方は白井だった。
白井黒子「ご紹介いたしますわ。こちら、わたくしと同じ常盤台中学の一年生、花一籠目(ハナイチカゴメ)さんですの」
花一籠目「は、はじめまして……」
質素なヘアピン。
黒いロングストレート。
可愛らしい、パッチリとした大きくて丸い瞳。
そして、小学校低学年ではないかと疑うくらいの低身長。
おそらく、130p以下だろう。
上条当麻「えーっと、白井さん? その子は一体……?」
白井黒子「彼女は、お姉様のお見舞いに来ていらしたのですが、少し席を外した際に見失ってしまったそうですわ。即ち、お姉様のお姿を最後に目撃した方なのです」
そこで、廊下の向こうからこちらに向かってくる者がいた。
垣根帝督である。
垣根帝督「悪い、遅れた。海原はどうした?」
土御門元春「あいつは既に仕事中だ。ここに一番乗りして、さっさと役割を与えてやったよ」
一方通行「勝手な雑談はそこまでだ。場所を移すぞ」
病院の中庭。
ちょっとした散歩コースでもあり、休憩スペースも用意されている場所。
一方通行たちは美琴の最終状況を聞き出していた。
花一籠目「御坂様は、とてもボーっとしていました。いつもは、もっともっと明るかったんですが……」
上条当麻「見舞いに来たときには、もう様子がおかしかったってことか」
一方通行「そもそも、何でテメェが見舞いに来てやがった。そんなに深い仲なのかよ」
その質問には、白井と上条が答えた。
白井黒子「お姉様の見舞客は、常盤台中学には大勢いらっしゃいますの」
上条当麻「朝と昼間と夕方と夜。ホントはもっと細かいけど、交代制で後輩や同級生、先輩まで見舞いに来てたぜ」
一方通行「……いなくなったのは、一種のストレスが原因なンじゃねェのか?」
聞いただけで、げっそりとする一方通行。
自分が美琴だったら、一日でブチ切れるだろう。
花一籠目「お手洗いを借りに席を外したんです。でも、病室に帰ったら御坂様は……」
土御門元春「もういなくなってた、ってわけか……」
垣根帝督「誘拐か、誰かに呼び出されたか。はたまた自分自身の行動か。予想は尽きねえぜ?」
話し合っていた一方通行たちへ近づいてくる男がいた。
病院の監視員の格好をした若い男に、土御門が気付いた。
土御門元春「よ、ご苦労さん。結果はどうだ?」
一方通行「………海原か?」
海原光貴「はい」
監視員の顔を剥ぎ取り、海原の顔を着始める。
花一が驚きを隠していない中、いつもの海原光貴が姿を現した。
白井黒子「特異の肉体変化(メタモルフォーゼ)ですの。心配いりませんわ」
花一籠目「え、ぁ、はい……」