万屋グループ

□グループ 第2話
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 海原「“惚れ薬”……ですか?」

 遊星「はい! お願いします!」

万屋グループの本日の客人は、高校生くらいの少年だった。

 海原「遊星様。“惚れ薬を用意していただきたい”との依頼は承りましょう。では、具体的な……」


接客している海原とは別に、土御門たちがヒソヒソと話している。そして……

 土御門「“惚れ薬”って、どこで手に入るんだ?」

 一方「テメェ、クラスメートに“通販好きの女がいる”とか言ってなかったかァ?」

 結標「通販で買えるものなの?」

 土御門「さぁな。だが、どっかのテレポーター風紀委員は、購入していた気がするぜい。」

 結標「………」

 一方「つーか、買えンじゃねェかよ。とっとと取り寄せちまえ」

 杉山「学生の身分じゃ難しそうだけどね」

 結標「じゃあ、あのツインテールはどうして!?」

 一方「風紀委員の立場でも利用したんだろ」

 土御門「職権乱用だにゃー」


 惚れ薬の入手方法に悩んでいた。





  黒いワンボックスカー内。

接客を担当していた海原が口を開いた。

 海原「皆さん、これは個人的意見なのですが……。ただ市販の物を用意するだけで良いのでしょうか?」

 結標「どーいう意味?」

 海原「“依頼完遂の高評価は狙えない”という意味です」

その発言に、車内の皆が振り向いた。

 海原「他の万屋は、きっと更に成績を上げています。前回の失態もありますし、ここが挽回時だと思うのです」

 一方「具体的にはどォすンだよ?」


 海原「我々で、グループの“オリジナルの惚れ薬”を作製しましょう」







  万屋スクールの拠点。

 一方「よォ、メルヘン野郎」

 垣根「いきなり訪ねてきて第一声がソレかよ。つーか、自覚してるっつってんだろコラッ!」

一方通行は、グループとは別の万屋稼業“スクール”を訪ねていた。

 一方「まァ、そンなこたァどォでもイイ。オイ、バ垣根。聞きてェことがあンだが」

 垣根「その前に殺していいか?」


 なかなか話しが進みませんでした。



 垣根「つまり、“この世に存在しないほどサイコーの媚薬”が欲しいんだな?」

 結標「そういうことよ」

一方通行では話しにならないため、結標と交代。

彼は今、別件で他所へ赴いている。

 つまりは“二人っきり”である。

 垣根「…………なぁ、誰に使うか教えt……」

 結標「使うのは私じゃないっつーのッ!!」






  とある路地裏の倉庫裏。

 土御門「よーし、これで全部だ」

 海原「“乾燥させたヒルガオの花”、“ナンテンの実の粉末”、“乾燥させたシャクナゲの花”、“カマキリの黒焼きの粉末”、“
月桂樹の葉の粉末”……。これら、一体何ですか?」

土御門が集めたのは、何とも異様な材料ばかりだった。

まるで魔女の薬でも作る勢いだ。

 土御門「こいつは“媚薬飲用”の魔術だ。飲んでから3日後に相手を誘えば、それまで誘いに乗ってくれなかった相手も気安く
応じ、首尾よく事を遂げられる代物だぜい」

 海原「……本物の“魔女の薬”なんですね…」


 各々が準備を始めている最中、一方通行は……
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