とある学園の死闘遊戯

□第04話 妹
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土御門元春「このゲーム参加者を確認させてくれ」

 土御門の言葉に、一方通行は反応を見せない。

 いちいち頷くような性格ではないと知っている土御門は、結標と海原も聞き耳を持っていることを確認した上で話し出す。


土御門元春「ここにいるグループの面々。超電磁砲。妹達が一体。打ち止め。あくまで仮定だが、ここにいると考えていいんだな?」

一方通行「………あァ」

結標淡希「つまり、あとの“六人”は誰か分からないってことね……」

 結標の言葉に、一方通行はカエル顔の医者の言葉を思い出す。



冥土帰し『“例の子”が“研究所”から運ばれてきたよ。君や打ち止めと同じく、昏睡状態だ』



一方通行「……いや、もォ一人いる」

土御門元春「ん? そうなのか?」

 一方通行は表情を曇らせる。

 “そいつは誰だ”と問いかける土御門を軽く無視して、一方通行は言うべきか言わずにいるべきか悩んでいた。

一方通行(言ったところで問題はねェが、そいつを信じるか信じねェかは自由だ。仮にも“アイツ”が敵視されることがあれば、この上なく面倒なことになる……)

 しかし一方通行が何かを言う前に、グループより少し離れた場所から声が聞こえた。


????「そこにいるのは、もしかしなくても一方通行ですね、とミサカは最悪な心境を隠して平然と確認を取ります」


一方通行「“最悪な心境”とやらを隠してるこたァ分かったが、抱いてることは理解済みなンだよ……」

 一方通行は静かに声に振り返る。

 そこには、その両手に二丁拳銃を構える妹達、御坂妹と呼ばれている検体番号10032号の姿があった。

一方通行「テメェがいることが確認できただけでも何よりだ……。銃は向けたままで構わねェからこっちに来い」

御坂妹「…………」

 その言葉に、御坂妹は拳銃を下ろした。

 しかし、近付こうとはしない。

一方通行(……ま、当然だな……)

 一方通行は携帯を取り出す。

 上条へ連絡を取り、御坂妹の存在確認を報告するためだ。

 通話ボタンを押すと、直ぐに繋がった。

一方通行「上条か?」

上条当麻『一方通行? 何か進展があったのか?』

一方通行「時間も充電も惜しいから簡潔に伝える。テメェが捜してた妹達はこっちで確認した」

上条当麻『そっか……。やっぱり御坂妹も参加しちまってんのか……』

一方通行「俺からは以上だ。そっちh……うおォォ!!!??」

上条当麻『ーッ!? 一方通行ッ!? どうしたんだッ!?』

 一方通行が驚愕の声を上げた理由。

 何気なく横を振り向いたら、御坂妹のキラキラした瞳と顔が至近距離にあったからである。

御坂妹「電話の主は上条当麻なのですか、と警戒心より好奇心が勝ったミサカは一方通行に尋ねます」

一方通行「だったらなンなンだッ!? つーか、顔が近ェンだよ離れろッ!」

御坂妹「代わって下さい、携帯ください、とミサカは一方通行の持つ携帯へと手を伸ばします」

一方通行「テメェに代わってやる余裕なンざねェンだよッ! つーか“携帯ください”ってなンだよッ!? “貸して”が抜けてンだろボケがッ!!」

土御門元春(そこかよ…)

海原光貴(う、羨ましい……)

結標淡希(あら? 何だか寒気が……)
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