とある学園の死闘遊戯

□第05話 外
1ページ/5ページ


 一方通行たちがゲームに奮闘している中、表世界の学園都市では上条当麻が走っていた。

上条当麻「ハァ……、ハァ……」

 一方通行たちを助け出すために情報を集めようと試みたが、身近な人間は誰もいない。

上条当麻(ちっくしょう……。御坂も御坂妹も巻き込まれてて、土御門まで参加させられてるんじゃ……)

 まるで手の打ちようがない。

 その時だ。

 息を切らして立ち止まった上条に、たまたま通りかかった人物が声をかける


垣根帝督「おい。お前、幻想殺しか? こんな所で何やってんだ?」

上条当麻「え? あ……、垣根さん……」


 学園都市の超能力者(レベル5)、第二位の垣根帝督だった。

上条当麻「良かったぁ……。垣根さんは巻き込まれていないんですね……」

垣根帝督「“巻き込まれていない”……? どういう意味だ?」

 上条は、一方通行たちの件と学園都市で起きている昏睡事件を垣根に説明した。

 立ち話では長くなるため、途中から近場のファミレスへと移動した上で。

垣根帝督「なるほどな……。そんなことになってやがったのか……」

上条当麻「どこにいるかも分からず、何が起きるのか、何が起きてるのかも分からねぇんだ。俺が向こうにいれば、何かしらの幻想を殺せるかもしれねぇのに……」

垣根帝督「悔しいのは分かるが、今は無意味だぜ。早く解決策を見つけねえとな……」

 そう言って腕を組む垣根を、上条は向かい席で見ていた。

 この件に関して、一緒に悩んでくれているのは、申し訳ない気持ちもあるが有難かった。

上条当麻「いつもは不幸だ不幸だ言ってるけど、何で今回だけは巻き込まれていないんだか……」

垣根帝督「そう思ってるからじゃねえか?」

上条当麻「え?」

垣根帝督「俺は神様じゃねえから他人の心や気持ちを正確に読めるわけじゃねえ。だが、少なくとも俺にはお前が“巻き込まれたかった”、“巻き込まれればよかった”って言ってるように聞こえるぜ?」

上条当麻「ーーーッ!?」

垣根帝督「幻想殺しがお前を不幸に陥れる産物だってんなら、お前の望みを叶えることはないんじゃないのか?」

上条当麻「ちっくしょうッ!! ふざけやがって……!!」

垣根帝督「…………」

 垣根は上条の表情を伺う。

 その顔には、本当に悔しさが浮かんで出ているようだった。

垣根帝督(まったく……。コイツは本物のバカ(オヒトヨシ)だよな……。一方通行……)

 用意されたお冷を飲みほし、カランカランと氷の音を響かせながら、垣根は続けて話し出す。


垣根帝督「ま、冗談はここまでにしておくか」

上条当麻「………ええぇ!!? じょ、冗談!!?」


 上条当麻の驚愕。

 まぁ、突然そんなこと言われたら驚愕の反応は当然ですよね。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ