とある学園の死闘遊戯
□第06話 九
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上条当麻『死ぬなよ』
一方通行「互いにな」
上条との通話を終えた一方通行は周りを見渡す。
今現在、彼のそばには三人しかいなかった。
土御門と御坂妹、そして百合子である。
結標は、解除条件に必要なジョーカーを先のメンバーは持っていなかったため、どうせ探すなら二手に別れると言い出し、有無を言わずに去ってしまったのだ。
美琴は一方通行と行動を共にすることが、いくら御坂妹が一緒だろうとも耐えられなかったらしく、直ぐにいなくなってしまった。
同時期に海原の姿も見えなくなったのだが、考えるだけ無駄だろう。
とにかく、後に残ったのは一方通行を含めて四人だった。
土御門元春「カミやんは何て言ってた?」
一方通行「……この状況を作り出した犯人が、表の学園都市にいるかもしれねェらしい……」
鈴科百合子「へェ〜。こんな空間作るなんて、大したモンじゃん」
御坂妹「貴女は本当に一方通行の妹なのですか、とミサカはあまりの性格の違いに疑問を隠せません」
一方通行「とにかくだ。上条が表で走り回ってる以上、俺たちが立ち止まってるわけにはいかねェ」
土御門元春「当たり前だ。さっさと行くぜよ」
御坂妹「…………」
突然、御坂妹が話しかけた。
御坂妹「あの……、一方通行……」
一方通行「あァ? どォした?」
御坂妹「ルールに記載がありませんでしたので、決定的根拠はないのですが……」
土御門元春「何か気付いたのか?」
御坂妹「はい。このPDAと首輪は、一つ一つが電気信号によって通じている可能性があります、とミサカは推察した状況をお教えします」
鈴科百合子「あん? つまりどォいうこと?」
一方通行「PDAを持ってなければ、たとえ解除条件を満たしても首輪は外れねェってことだ」
静科百合子「???」
土御門元春「分かりやすく、俺のPDAで説明してやるぜい」
そう言うと、土御門は自分のPDAを取り出した。
一方通行「オイ、テメェの解除条件は安全なのか?」
土御門元春「………どういう意味だ?」
一方通行は失念した。
一方通行の解除条件は“Qの殺害”。
しかし、結標の“ジョーカーの破壊”といったように、危険な解除条件でないものもあるのだ。
一方通行の発言は、土御門に不信感を与えてしまった。
すると、
鈴科百合子「そォだよねェ〜。“3のPDA”みたいに“三人以上殺すこと”とかだと、物騒だもんねェ〜」
百合子の発言に、その場の三人は固まった。