とある海賊の航海日誌
□06日目 海上の戦い
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拷問の島。
島の中心街からはかなり離れた港町。
ブラック・アクセル号に向けて走ってくる海賊たちがいた。
ご存じ、ベクトル海賊団であり、彼らは追われていた。
島住人A「海賊だー! 捕まえろぉ!!」
島住人B「死刑にしろ!! ギロチンの用意だぁ!!」
島住人C「猟銃もってこいッ!! 海賊なんて悪党は、俺が撃ち殺してやる!!」
罪を犯せば死につながる拷問の島。
それ故に犯罪がない・犯罪など犯せない島と言われていたが、一方通行たちは実態を知った。
一方通行「こいつら、何かと理由つけて人ォ殺してェだけじゃねェか!!」
御坂美琴「小さな罪でも即刻死刑ってのも、たくさん殺したいからって意味だったのよぉ!!」
上条当麻「不幸だーーーー!!!」
港に到着し、美琴と上条が乗船する。
見張りと留守番で残っていた土御門たちが目を丸くした。
土御門元春「あれあれ? もう買い出しに行ってきたのかにゃー?」
上条当麻「そうじゃねぇ! つーか、この島ヤベぇんだよ! すぐ出航だ!」
御坂美琴「追手の連中を片付けるからって一方通行が遅れてんの。アイツが乗船したら、すぐに島から離れるわよ!」
港町の広場。
公園のように静かな場所にて、一方通行は佇んでいた。
追手の連中はもういない。
蹴散らしたのではなく、遠ざかっていった。
一方通行「…………」
また、第三者の手で昏倒させられた者もいた。
その第三者は、一方通行の目の前に立つ。
一方通行「テメェ……、何モンだ……」
ヴェント「海軍大将ヴェント。悪いけど、アンタの冒険はここで終わりよ、海賊王・一方通行」
拷問の島の港。
ブラック・アクセル号を囲む形で、五隻の海軍船が到着した。
海原光貴「これはこれは……」
土御門元春「囲まれちまったなぁ……」
御坂美琴「のん気なこと言ってる場合!?」
結標淡希「ま、そろそろこっちも動きましょうか」
御坂美琴「……え?」
美琴の背後に、インデックスが押してきた車椅子に腰掛ける結標。
バキバキと指を鳴らす土御門と、懐から黒曜石のナイフを取り出した海原。
上条当麻「おい、何する気だ……」
土御門元春「ちょっとした恩返しさ。この船に乗せてもらったうえ、船長不在の現状」
海原光貴「自分たち盗賊風情に出来ることなど、たかが知れていますが」
結標淡希「この船を守るくらいは、やっておかなきゃ、ねッ!!」
結標の最後の一声が、合図となった。