とある海賊の航海日誌
□08日目 海賊王の招集
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それを見た上条や土御門、海原に結標、インデックスは開いた口が塞がらなかった。
一方通行と美琴には、もうお馴染みな光景のようだ。
一方通行「着いたぞ」
御坂美琴「ここも久しぶりね……」
土御門は上条に問う。
土御門元春「カミやんは前から海賊だったんだろ? 来たことはないのかにゃー?」
上条当麻「生憎と、噂でしか知らないだけで来たことはねぇな……」
ベクトル海賊団が新たに訪れた島。
名を“海賊の島”と呼ぶ。
大海賊王・アレイスター=クロウリーの生まれ故郷であり、心から海賊を称え、歓迎する世界唯一の海賊島。
全国各地から海賊たちが休息に訪れ、時に情報交換、時に物資の調達や物々交換。
日常で睨み合う敵同士も、この島でならば良きライバル。
また、日常以上に派手に大暴れ。
海賊を名乗るならば殺しも無罪。
海賊を名乗って殺されれば三下。
海賊の、海賊による、海賊のための海賊島。
海原光貴「しかし、このような場所があっては海軍が黙っていないのでは?」
一方通行「当たりめェだ。この島は何度も殺されてンだよ」
結標淡希「それはどういう意味かしら?」
御坂美琴「初めは大変だったわよ。海軍の猛攻撃を浴びて、初代海賊島は全滅」
美琴は、昔話をする雰囲気で語りだした。
御坂美琴「でも、アレイスター=クロウリーの生きた証の数々。それだけは絶対に守ってきた。記憶でも記録でも、物でも塵でも。それらと海賊が世から絶えない限り、この島は何度でも蘇るのよ」
一方通行「海賊が全滅し、大航海時代が終焉を迎える。この島が死ぬのはその時だ」
死と再生を繰り返し、大海賊王の歴史を守り続け、海賊たちを支えてきた島。
この島が再び海軍に襲撃されようとも、海賊がいる限り、真に島が滅びることはない。
インデックス「なんだか……すごいかも……」
一方通行「あの城に閉じこもってるばかりじゃ、味わえなかった歴史だろ? キーチェーン」
中央市場。
海賊たちの娯楽を中心とした、あらゆる施設が整っている街だ。
一方通行と美琴が並んでいる光景に、周りの海賊たちは注目する。
男海賊A「おい! あれ……」
男海賊B「馬鹿!! 指差すな!」
女海賊A「海賊王が二人……。副船長に寝返ったのは真実だったのね……」
女海賊B「ていうか、相変わらず色白〜。あの能力欲しいな〜」
海賊王の注目に埋もれながら、土御門たちは恐縮する。
土御門元春「も、元・山賊だったからか……、ちょっと複雑だぜい……」
一方通行「今は海賊だろうが。堂々としてりゃイインだよ」
上条当麻「俺、もともと海賊なんだけどなぁ……」