とある狭間の平行世界

□第00話 英雄たちの受難
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 招集を受けたはずの暗部組織グループだが、集合場所にいたのは一方通行のみだった。

一方通行「あンの馬鹿共がァ……ッ」

 土御門は義妹と遊びに行く予定だったとのことで欠席。

 結標は料理教室の最終試験(テスト)があるとかで欠席。

 海原は常盤台の超電磁砲を……言わなくても分かるな?

一方通行「どいつもこいつも……ッ。俺が仕事熱心に見られるじゃねェかッ」

 こうなったら一方通行も帰ろうかと思ったが、来てしまったものは仕方がない。

 それに、もうすぐ同行人が到着するとのことだった。







浜面仕上「よぉ、第一位」

一方通行「……テメェかよ。アイテムの方はどォしたンだ」

浜面仕上「上層部からの伝達でな。今日だけ一方通行に付き従ってこい、って言われたモンで」

 学園都市で唯一、統括理事長を含んだ誰の目も届かない“死角区域”があることが発覚。

 ただちにグループの構成員を招集し、その場所へ赴け、という指示が出されていた(まぁ、三人も欠席しているが)。

 場所は一方通行と浜面が立つ第十九学区の外れ。

 しかし、目的の場所に到着する前に一方通行と浜面は“招かれざる客”を迎えることになる。



上条当麻「参ったなぁ……。バスん中で寝過ごして第十九学区までとは……不幸だ」

一方通行「…………」

浜面仕上「…………」

上条当麻「あれ? お二人さん、何故にこんな場所へ?」



 通称“疫病神”上条当麻だった。

上条当麻「いつの時代の呼び名だ、それッ!! ていうか、何気に酷ぇッ!」

一方通行「オイ、マジかよ……。何でこのタイミングで居合わせンだ……」

浜面仕上「大将がいる時点で、確実に事件が起きるフラグだな、これ……」

 浜面の予想は的を射ていた。

 上条当麻、一方通行、浜面仕上の三人が揃ったことが合図だったのか、第十九学区内を地震が襲い始める。

上条当麻「ーーーな、何だッ!?」

一方通行「ーーーチィッ!!」

浜面仕上「ーーーお、おい!! 崩れるぞッ!!」

 ピシピシピシッ、とアスファルトに亀裂が走り、耳が痛くなるほど大きな音を立てて地面が割れる。

上条当麻「うあああああッ!!」

一方通行「クソッタレがァああッ!!」

浜面仕上「ちっくしょぉぉおおおおッ!!」

 咄嗟のことに対処が遅れ、三人共が深い深い地面の底へと姿を消してしまった。







 目が覚めた一方通行は、グラグラと揺れる視界と頭に苦しみながら身を起こす。

 どうやら頭を打ったらしい。

一方通行「……痛っつー…」

 ひんやりとした涼しい空気。

 近くに水場があるらしく、水の流れる音まで聞こえていた。



 目覚めた浜面仕上は、グラグラと揺れる視界と頭に苦しみながら身を起こす。

 どうやら頭を打ったらしい。

浜面仕上「……痛ってて…」

 胸が締めつけられるような、重苦しい空気。

 枯れた草木や崩れた建物が目立つ、廃墟の風景が広がっていた。



 目覚めた上条当麻は、グラグラと揺れる視界と頭に苦しみながら身を起こす。

 どうやら頭を打ったらしい。

上条当麻「……不幸だ…」

 木と自然の香りが漂う、澄み切った美味しい空気。

 大自然とまではいかなくとも、緑豊かな自然の風景が目の前にあった。





三者三様「「「……ここは、何処だ?」」」」





 アスファルトの地中深くへと落ちた先。

 そこには、説明できない世界が存在していた。

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