とある学園の死闘遊戯Ⅱ
□第00話 崩
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
某日の学園都市。
天気は快晴のお昼過ぎ。
？？？？「おっと、失礼いたしました」
街並みを歩く青年は、通行人とぶつかりそうになった。
しかし通行人は、青年に見向きもしない。
？？？？「…………」
やれやれ。
青年はそういった顔つきで歩き出す。
？？？？「さて、まずは探してみなければなりませんね……」
独り言を呟きながら。
青年の容姿は、少しだけ異様だった。
基調となっている色合いは黄色。
しかし、来ている服は燕尾服のようなものであり、つまるところ黒のような暗めな色が似あう類の衣服だった。
ボサボサとした髪の色も黄土色に近く、黄色のような橙色のような茶色のような、土色の髪だった。
土色の髪と黄色い燕尾服という、私服としても場違いな格好をしている青年の、おかしなところが更に二つ。
一人称と言葉遣いだった。
？？？？「我輩も、のんびりとはしていられませんね……。早急に事を進めなければ……」
そんな彼に注目する者は、何故か一人もいなかった。
？？？？「しばしお待ちくださいませ、我が主殿。そして、一方通行……」