とある囚人の更生記録

□第03.0話 父
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 いつもの日常に比べれば、涼しいと表現できる本日。

 木原は、とある女性と向き合っていた。

木原数多「何だテメェ」

????「えー、いきなりご挨拶ですね〜」

木原数多「ぶっ殺すぞ」

????「この世界じゃジョークにしかなんないよ♪」

 妙にテンションの高い女性、名を“山原亜美”というらしい。

山原亜美「んでんで、おじさんに聞きたいことがあって来たんだけど〜」

木原数多「勝手に話し進めてんじゃねぇよボケナス。クズ男の客だろ? アイツは留守だよ」

山原亜美「クズ男って何、それ本名!? 超ウケる!!」

木原数多「超うぜぇからマジで死ね」

 簡単にまとめよう。

 木原はいつものように起床し、仕事に行く島田を見送った。

 すると突然、見知らぬ女性が訪問してきた。

 以上。

木原数多「朝っぱらから何のようだ……。ただでさえイライラしてんだ……。さっさと済ませろ」

山原亜美「おじさん、知りたくなぁい?」

 木原は鉄格子を閉めた。

 タイムアップというやつである。

山原亜美「ちょっとちょっと、おじさーん! ここあけてー!」

木原数多「うっせぇんだよ雌豚がァ!!!! とっとと帰ってクソしてやがれ!!!!」

山原亜美「うわ、それマジで酷くないッ!? そんなんじゃ心愛ちゃんが悲しむよ〜」

木原数多「テメェが無駄にイライr……あァ? おい雌豚、今なんつった?」

山原亜美「あたしゃ雌豚確定かい……。中に入れてくれたら答えるかなぁ〜」

 木原は鉄格子を開ける。

 そもそも鍵など掛かってはいないが、最低限の常識は守っていたらしい。

 他人の部屋には、無理矢理入るものではない。

山原亜美「おっ邪魔っしま〜す♪」

木原数多「もう十二分に邪魔だっつーの」







 木原数多・享年38歳。

 科学の都である学園都市にて天才科学者として君臨するも、人を人と思わずに簡単に命を奪っていった。

 十三人の殺し合いに参加させられ、そこでも数名の命を奪う。

 最終的には一方通行に不可思議な黒い翼によって殺される。

 現実世界に死体があるものの、何故か行方不明に。

 ちなみに、今現在の木原自身は十三人の殺し合いが現実世界から切り離されていた事実に気付いていない。







山原亜美「ようするに殺人罪か」

木原数多「テメェ、誰に向けて喋ってんだ? あァ?」
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