とある禁書の二次創作
□コラボCM収録中
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上条「……」
一方「……」
上条「……よぉ」
一方「……チッ」
とあるCMの収録スタジオ。
宣伝収録を頼まれた上条当麻は、手渡された台本を片手に廊下を歩いていた。
扉の向こう、つまりは収録を行っている部屋では、既に別アニメの出演者が「とある魔術の禁書目録U」を宣伝してくれている。
京介『“いいぜ、テメェが何でも自分の思い通りにできるってんなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!”』
上条「うぉ!?」
どうやら扉の向こうにいる彼は、上条当麻の台本を渡されているらしい。
京介『上条さ〜ん、是非ともうちの妹にも言ってやってくれ! 「とある魔術の禁書目録U」、10月より放送開始! 「俺の妹」より“高坂京介”でした』
上条(……なんだか、自分の名言を叫ばれるのは恥ずかしいなぁ…)
そんなことを考えていた矢先、冒頭に戻るわけである。
上条「一方通行も呼ばれてたのか。お互い大変だな」
一方「そォいうオマエも、“収録”だとかで呼ばれた口か…。チッ、くっだらねェ…」
上条「まあまあ、折角だし、楽しんでいこうぜ」
一方「あァそうかい。どうぞご勝手に…。……そォいや、いつもの純白シスターはどォしたンだ?」
上条「あぁ、インデックスか。あいつは電撃文庫のCMで別室だ。ヒロイン同士のコラボだとさ」
一方「“あっち”のヒロインは、さっき帰ってきたじゃねェか。どっかで行き倒れてンじゃねェのか?」
上条「…………探してきます」
一方「さっさと消えt…」
桐乃『“どンな理由を並べても、それでこのガキが殺されていいことになンかならねェだろォが!”』
一方「……」
上条「……」
扉の向こうでは、新たな収録が始まっていたらしい。
桐乃『一方通行さんマジクール! 「とある魔術の禁書目録U」、10月より放送開始! 以上、「俺の妹」の“高坂桐乃”でした』
上条「………プッ」
一方「テメェ、今吹いたろ…」
上条「いやいや、上条さんは第二主人公の座を勝ち取った最強さんの名台詞を汚す行為なd…」
一方「おちょくってンのかッ!? さっさと消えろォッ!!」
上条「はいぃぃ!!!」
インデックスを探しに行った上条の背中は、どんどん小さくなっていった。
一方「……チッ」
その時、収録室の扉が開く。
担当「お待たせいたしました。上条当麻様は……、あれ?」
一方「野暮用で外してるぜ。すぐ戻るだろ…」
担当「そうですか。……では、先に一方通行様の収録をしてしまいましょうか。準備の程は?」
一方「……」
上条「ったく。腹ペコで這いつくばってるようじゃ、長い人生、生きていけないぞ」
イン「お腹が空くのは人として当然なんだよ! とうまは“あの白い人”みたいに、何も聞かずにご飯を食べさせてくれる親切心が欠けてるかも!」
上条「それって一方通行のことだろ。そういやぁ、アイツどこに…」
一方『ここにある全部が“桐乃”なンだよ! 認めねェってホザくンなら俺がぶっ飛ばす!』
上条「……」
イン「……」
一方『チッ…、あの“熱血バカ”に似てやがる…。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」、10月より放送開始。以上「禁書目録」の一方通行だ』
その後、“あの熱血バカ”ってだぁれ? と問い詰められた一方通行が、
収録を聞かれた羞恥心を原動力に、
黒い翼で大暴れしたのは言うまでもない。