とある禁書の二次創作
□この日だけ
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グループの仕事(ゴミ掃除)も終わり、それぞれが黒いキャンピングカーに戻ってきた。
ただ一人を除いて……。
海原光貴「おや? 一方通行さんが帰ってきていませんね……」
土御門元春「いや、あいつは早退だ」
結標淡希「あら、体調不良? 似合わないわね」
土御門元春「さぁな。日付を見りゃ気付かないこともないが……。寄りたい場所があるんだと」
ちらりとカレンダーに目を向ける海原と結標。
秋の始まり、夏の終わりを感じさせる月末の日付。
最初に気付いたのは結標だった。
結標淡希「あぁ、なるほどね……」
第七学区の地下街ファンシーショップ。
御坂妹「これはこれはお久しぶりですね、とミサカは意外すぎる人物に挨拶します」
一方通行「………不幸だ…」
御坂妹「あの方の真似事は心外です、とミサカは憤慨します」
妹達の検体番号10032号、御坂妹と一方通行が邂逅した。
一方通行の手には、可愛らしいキーホルダーやヌイグルミが顔を覗かせている。
御坂妹「可愛らしい趣味をお持ちですね、とミサカは現状を報告しようとミサカネットワークを……」
一方通行「ヤメロ」
その目は必死だったという……。
御坂妹「なるほど。分かってはいましたが、上位個体へのプレゼントですね、とミサカは意味もなく確認を取ります」
一方通行「分かってンなら聞くなっつーの……。ネットワーク使って、ガキに感づかれンなよ……」
特別な記念日として、一方通行は打ち止めへの贈り物を選んでいた。
御坂妹「結婚記念日ですか? 婚約記念日ですか? それとも変態(ロリコン)認定記念日ですk」
一方通行「どれも大ハズレだ馬鹿野郎。つーか、何だ最後のは」
御坂妹「しかし、物以外にも贈れるものはあると思いますよ、とミサカはアドバイスします」
物以外に贈れるもの。
気持ちだの、言葉だの。
一方通行はその程度では薄いと思ったが故に、一世一代の行動は早かった。
マイクを握り、歌い狂う。
一方通行『GAGAGAGA Noisy〜♪』
打ち止め『イッエ〜〜イ♪』
黄泉川愛穂「うるさくて眠れないじゃん……」
芳川桔梗「ごめんね愛穂。今日だけは、好きにしてあげて」
番外個体『ミサカ歌いたくないのにーー♪』
今日は夏休み最終日、8月31日……。