とある禁書の二次創作

□この日だけ
1ページ/2ページ


 グループの仕事(ゴミ掃除)も終わり、それぞれが黒いキャンピングカーに戻ってきた。

 ただ一人を除いて……。

海原光貴「おや? 一方通行さんが帰ってきていませんね……」

土御門元春「いや、あいつは早退だ」

結標淡希「あら、体調不良? 似合わないわね」

土御門元春「さぁな。日付を見りゃ気付かないこともないが……。寄りたい場所があるんだと」

 ちらりとカレンダーに目を向ける海原と結標。

 秋の始まり、夏の終わりを感じさせる月末の日付。

 最初に気付いたのは結標だった。

結標淡希「あぁ、なるほどね……」







 第七学区の地下街ファンシーショップ。

御坂妹「これはこれはお久しぶりですね、とミサカは意外すぎる人物に挨拶します」

一方通行「………不幸だ…」

御坂妹「あの方の真似事は心外です、とミサカは憤慨します」

 妹達の検体番号10032号、御坂妹と一方通行が邂逅した。

 一方通行の手には、可愛らしいキーホルダーやヌイグルミが顔を覗かせている。

御坂妹「可愛らしい趣味をお持ちですね、とミサカは現状を報告しようとミサカネットワークを……」

一方通行「ヤメロ」

 その目は必死だったという……。







御坂妹「なるほど。分かってはいましたが、上位個体へのプレゼントですね、とミサカは意味もなく確認を取ります」

一方通行「分かってンなら聞くなっつーの……。ネットワーク使って、ガキに感づかれンなよ……」

 特別な記念日として、一方通行は打ち止めへの贈り物を選んでいた。

御坂妹「結婚記念日ですか? 婚約記念日ですか? それとも変態(ロリコン)認定記念日ですk」

一方通行「どれも大ハズレだ馬鹿野郎。つーか、何だ最後のは」

御坂妹「しかし、物以外にも贈れるものはあると思いますよ、とミサカはアドバイスします」

 物以外に贈れるもの。

 気持ちだの、言葉だの。

 一方通行はその程度では薄いと思ったが故に、一世一代の行動は早かった。







 マイクを握り、歌い狂う。

一方通行『GAGAGAGA Noisy〜♪』

打ち止め『イッエ〜〜イ♪』

黄泉川愛穂「うるさくて眠れないじゃん……」

芳川桔梗「ごめんね愛穂。今日だけは、好きにしてあげて」

番外個体『ミサカ歌いたくないのにーー♪』

 今日は夏休み最終日、8月31日……。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ