新説 とある学園の死闘遊戯
□第06話 閉
2ページ/5ページ
上条当麻も、一方通行と同じように頭を悩ませる。
上条当麻「何なんだよ、一体……。これが一方通行や土御門が巻き込まれた“十三人の殺し合い”なのか……?」
初めて、この事件の渦中へと放り込まれた上条は、PDAの画面を見やる。
≪ハートの4:緑の衣服≫
上条当麻(こういう謎解きみたいなの、一番苦手なのになぁ……)
土御門元春は笑っていた。
土御門元春「懐かしい気分だぜい。だが、いい気分って意味じゃあないな」
≪スペードの9:黄の鏡台≫
土御門元春「しっかし、今回はキーワード型なんだな……。こいつは面倒だ」
高山浩太は無表情だった。
高山浩太「嫌なものだな。ここまで重なってくると、柄にもなく昔を思い出してしまう……」
≪ダイヤの2:赤い食器≫
高山浩太「“赤い食器”か……。何を指しているのか、探らなければならないな……」
手塚義光は笑っていた。
手塚義光「ククク……、最高だな。この状況、高山さんも思い出してんだろうなぁ」
≪ダイヤの10:橙の革靴≫
手塚義光「だが、このキーワードってのが分からねえな……。こちとら楽して楽しく勝ちたいってのによぉ」
それぞれが、別々の部屋にて目を覚ました。
そこから始まる、悪夢のゲーム。
一方通行たち以外にも、この“窓のないビル”には八人が存在している。
“窓のないビル”から脱出するためには、PDAに記されたキーワードを模索するしかない。
更に言えば、この“窓のないビル”の内部の構造も明らかになっていない。
この状況下で、一方通行たちはどのように動くのだろうか……。
アレイスターは静かに微笑む。
アレイスター『さて、まだアラームが起動していないところを見ると、まだ参加者が集まっていないようだな……』
とても楽しそうに、一方通行たちの様子をモニターで眺めている。
しかし、モニターの数は三つだけであり、映っている者も三人だけだった。
他の者には興味がないのだろう。
アレイスター『面白くなるのはこれからだ……。楽しませてもらうとするよ、一方通行……』
アレイスターは静かに微笑む。
その首元に、金属製の首輪を光らせながら……。
一方通行たちが侵入した後に、ここへと侵入した人影がPDAに目を落とす。
????「…………」
特に、これといった感情も見せず、人影は窓のないビル内を歩き始めた。