新説 とある学園の死闘遊戯

□第06話 閉
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 上条当麻も、一方通行と同じように頭を悩ませる。

上条当麻「何なんだよ、一体……。これが一方通行や土御門が巻き込まれた“十三人の殺し合い”なのか……?」

 初めて、この事件の渦中へと放り込まれた上条は、PDAの画面を見やる。



 ≪ハートの4:緑の衣服≫



上条当麻(こういう謎解きみたいなの、一番苦手なのになぁ……)







 土御門元春は笑っていた。

土御門元春「懐かしい気分だぜい。だが、いい気分って意味じゃあないな」



 ≪スペードの9:黄の鏡台≫



土御門元春「しっかし、今回はキーワード型なんだな……。こいつは面倒だ」







 高山浩太は無表情だった。

高山浩太「嫌なものだな。ここまで重なってくると、柄にもなく昔を思い出してしまう……」



 ≪ダイヤの2:赤い食器≫



高山浩太「“赤い食器”か……。何を指しているのか、探らなければならないな……」







 手塚義光は笑っていた。

手塚義光「ククク……、最高だな。この状況、高山さんも思い出してんだろうなぁ」



 ≪ダイヤの10:橙の革靴≫



手塚義光「だが、このキーワードってのが分からねえな……。こちとら楽して楽しく勝ちたいってのによぉ」







 それぞれが、別々の部屋にて目を覚ました。

 そこから始まる、悪夢のゲーム。

 一方通行たち以外にも、この“窓のないビル”には八人が存在している。

 “窓のないビル”から脱出するためには、PDAに記されたキーワードを模索するしかない。

 更に言えば、この“窓のないビル”の内部の構造も明らかになっていない。

 この状況下で、一方通行たちはどのように動くのだろうか……。







 アレイスターは静かに微笑む。

アレイスター『さて、まだアラームが起動していないところを見ると、まだ参加者が集まっていないようだな……』

 とても楽しそうに、一方通行たちの様子をモニターで眺めている。

 しかし、モニターの数は三つだけであり、映っている者も三人だけだった。

 他の者には興味がないのだろう。

アレイスター『面白くなるのはこれからだ……。楽しませてもらうとするよ、一方通行……』

 アレイスターは静かに微笑む。



 その首元に、金属製の首輪を光らせながら……。







 一方通行たちが侵入した後に、ここへと侵入した人影がPDAに目を落とす。

????「…………」

 特に、これといった感情も見せず、人影は窓のないビル内を歩き始めた。
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