我ら、篠原家！
□プロローグⅠ 「長女」
2ﾍﾟｰｼﾞ/4ﾍﾟｰｼﾞ
この世界では、稀に“能力者(ﾏｽﾀｰ)”が生まれてくることがある。
“マスター”とは“普通の人間には具わることのない能力”を持ってして生まれた人間を指す。
香澄も、その一人だった。
“第二王者の特権(ｾｶﾝﾄﾞ･ﾌﾟﾗｲﾄﾞ)”と呼ばれる能力を持って生まれた彼女は、幼い頃から他人を拒絶し続けていた。
何故なら、“普通じゃない”から……。
自分は皆とは違う。
どうせ直ぐに嫌われる。
マスターなんて嫌。
能力なんていらない。
“どんな力か”なんて関係ない。
みんなみんな、大嫌い。
大嫌いになれば、誰も私に寄り付かない。
だから私は……、一人でいい……。