我ら、篠原家!
□プロローグW 「次女」
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この世界では、稀に“能力者(マスター)”が生まれてくることがある。
“マスター”とは“普通の人間には具わることのない能力”を持ってして生まれた人間を指す。
遊里も、その一人だった。
“本能の欲望(アニマル・ラスト)”と呼ばれる能力を持って生まれた彼女は、幼い頃から興味関心の強い性格だった。
彼女は、自分が持っていないものを他人が持つことを良しとしなかった。
自分にないものがあるのなら、それを真似たり、習得したり、欲したり、手に入れることが生きがいだった。
その行為が、行き過ぎてしまうことがあったのだ……。