とある学園の死闘遊戯 罪

□第04話 成分
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 AIM拡散力場。

 浜面たちは、原子崩しを名乗る男と対面していた。

 麦野の能力そのものだと聞かされた時は驚きを隠せなかったが、自分たちが幽霊ということもあって、信じられないことは少なかった。

絹旗最愛「しっかし、何だか超熱いですね〜」

滝壺理后「うん……。ちょっと火照ってくる感じ……」

浜面仕上「そうか? 少し肌寒いくらいだろ」

 死人に体温はないため、ぶっちゃけた話だが気のせいである。

 しかし、絹旗や滝壺の顔色は確かに赤かった。

原子崩し「…………」

 表の学園都市の事態を少なからず把握している原子崩しは、浜面に声を掛ける。

原子崩し「浜面様、お話ししたいことがございます。宜しいでしょうか?」

浜面仕上「へ? あ、あぁ……」

 浜面たちが、表の事態を完全に把握するまで、まだ少しだけ時間が掛かるようだ。







 一方通行たちは別々に行動することになっていた。

 一方通行は、白井と花一の三人で第七学区の常盤台中学女子寮へ。

 垣根は、諸事情で第四学区の冷凍倉庫へ。

 上条は、土御門と海原の三人で第十七学区の医療成分研究所へと向かっていた。







 第十七学区。

 医療成分研究所の研究員に変装した海原が、潜入して情報の入手を急いでいる。

 上条たちが外で待機していた時、土御門の携帯に鑑識の結果が送られてきた。

 ザッと目を通した土御門は、香水にしては不自然な成分や危険物質を見つけていく。

上条当麻「……土御門、これって……」

土御門元春「あぁ、一方通行の勘は当たったらしいな。鋭いもんだ」

 携帯のメール作成画面を操作して、全員に成分が判明したことを伝える。

 だが、それだけだった。

上条当麻「具体的に、何が入ってたとかは教えなくていいのか?」

土御門元春「なるべく文面として残しておきたくはない情報だ。いちいちメールを削除させるのも面倒だろ? こういうのは口頭に限るぜい」

 しばらくして海原が戻ってきた。

 長居は無用。

 素早く行動を始める三人は、情報の有無を話し出す。

土御門元春「進展はありそうか?」

海原光貴「どうでしょうか。皆さんの意見を合わせなければ、利益までは分かりませんよ」

上条当麻「ってことは、それなりの情報を入手出来たんだな?」

海原光貴「はい。ナノカプセル“ダイヤ”が紛失した原因も把握しました。そちらは?」

 土御門は、自分の携帯を振って見せる。

土御門元春「鑑識に回してた香水の成分が発覚したぜい。一方通行の勘はドンピシャだった」

 その時、土御門の携帯から着信音が鳴り響く。

 一方通行からだ。

一方通行『出し惜しみなンてのは三下の特権だろォが。香水の成分を教えろ』

土御門元春「にゃーにゃー、どうした? 気が焦るのも分かるが、皆を集めて意見を合わせりゃ……」

一方通行『こちとら時間に急いでンのは知ってるはずだ。知るのが遅くて、間に合いませんでしたじゃ済まされねェだろォが。さっさと教えろ』

 一方通行の言い分は痛いほど分かる。

 海原も揃っていることだし、土御門は逸早く教えておくことにした。







 第四学区。

 冷凍倉庫に来た垣根の横には、初春の姿があった。

垣根帝督「ついてこなくてもいいんだぜ? 失踪事件を嗅ぎ回ってる以上、何が起こるか分かんねえんだからよ」

初春飾利「では、その時は垣根さんが守ってください」

垣根帝督「言われなくても守るっつーの」

 ここに来る途中で偶然顔を合わせ、成り行きで同行した初春。

 第四学区には風紀委員の仕事で数回訪れたことがあったが、この場所は初めてだった。

初春飾利「垣根さん、この倉庫に何かあるんですか?」

 初春の問いに、垣根は静かに答える。



垣根帝督「ここは俺が指揮していた元・暗部組織、スクールの隠れ家だった。まだ使える代物が残ってるんでな」



 この場所を初春が知らないわけだ。

 元・暗部の隠れ家ならば、そう簡単に行きつけるはずがない。
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