とある学園の死闘遊戯 罪

□第05話 誘惑
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 第七学区の地下街。

 初春の手が回り、香水店“キラー”に警備員と風紀委員が集まった。

 中にいたお客は全員避難させ、購入した商品は全て回収した。

垣根帝督「…………」

 垣根だけは、初春が許可を得たために店内に残って調査を続ける。

 学園都市の第一位ということもあるのか、誰も口出ししなかった。

初春飾利「どうですか?」

垣根帝督「ビンゴだ。どれもこれも、まったく同じ成分が検出できる。モルヒネとヘロインなんて、同じようなもんをわざわざ二種類配合する形でな」

 ヘロインはモルヒネから作られているため、この二つは同一の麻薬と考えても間違いではない。

 しかし、どの香水にもどちらか片方が欠けることなく同じように含まれている様だ。

垣根帝督「何か秘密があるんだな……。同じような麻薬を二つとも使わなければならない理由ってやつが……」

 そして二つの麻薬と同時に、やはり例の不自然な物質も検出されていた。

 もちろん、麻薬の含まれている香水の全てからだ。

垣根帝督「ガラナが含まれてることも引っかかるな……。こんな物質、何の役に立つんだか……」

 垣根は、香水の回収を風紀委員に任せて店の裏へと回る。

 調べてみれば、ここで香水を作って売っているのではないらしい。

 どこからか仕入れてきているのか、一度商品を回収して盛っているのか。

垣根帝督「こっちはこっちで、調べるだけ調べてやるか……。新生グループの副リーダーとしてな」







 白井は花一を背負って空間移動を続ける。

 一方通行は能力を使って、先に木の葉通りへと向かっていた。

白井黒子「花一さんは部外者ですの! ここまで協力することも、巻き込まれることもないのではなくって?」

花一籠目「………確かに、私は部外者です…。でも、私も事件解決の役に立ちたい……。それに……」

 花一は、病院での一方通行との会話を思い出す。

 不格好ながらも、今の自分と向き合って、現実へと真っ直ぐに立ち向かう一方通行を見た。

 その言葉に、背中に、気持ちに、仕草に。

 前を見よう、進もうと決心させてくれたことを思い出す。

花一籠目「一方通行さんをお手伝いしたいんです! 役に、立ってみたいんです!」

白井黒子「……そうですか」

 木の葉通りへと到着した白井たちは、一方通行や土御門たちが走り回る様に動揺して騒いでいる一般人へと声を掛ける。

白井黒子「風紀委員ですの! ここは危険です! 速やかに避難してくださいまし!」







 上条当麻は悔しんでいた。

 車椅子に座っている以上、素早い動きが出来ない。

 そのため、逃走している煌利を追う手助けが出来ずにいた。

上条当麻「ちっくしょう! 俺にも何かが出来れば……ッ」

 その時、上条の携帯に着信が入る。

 確認してみると、学生寮の土御門宅からだった。

土御門舞夏『もしもーし? 上条当麻で間違いないかー?』

上条当麻「土御門舞夏? 俺に電話なんて珍しいな」

土御門舞夏『なんか銀髪シスターが、上条に電話してくれ、ってうるさいんだぞー。今代わるからなー』

上条当麻(インデックスの奴……、まだ納得してくれなかったのか……!?)

 受話器を受け取ったインデックスは、上条に開口一番で叫び散らした。

インデックス『とーま!! 今関わってる事件に巻き込まれちゃダメなんだよ!!』

上条当麻「だーーッ!! もう、インデックスさん!? 事件に巻き込まれるとか巻き込まれないとか、不幸な上条さんは選択肢を選んでいる時間も余裕もないのでございますことよ!!」

インデックス『そーじゃないの、とーま!! この事件だけは、絶対に首を突っ込んじゃいけないかもしれないんだよ!!』

 インデックスの様子が、いつもと少し違うことに気付く。

 いつだって必死だが、今回のインデックスは必死さが数段上がっているようだった。

上条当麻「……それは、どういう意味なんだ? インデックス……」
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