とある海賊の航海日誌

□04日目 逃げろ!
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 飯屋を(全速力で)出てから数十分後。

 食い逃げになれてきた上条は、一方通行と共に動いていた。

 傍らにはインデックスもいる。

インデックス「突然走り出すからビックリしたんだよ」

一方通行「その程度じゃ生き残れねェぞ」

上条当麻「つーか、折角キッチン付きの海賊船があるんだから、材料さえあれば俺が作るぜ?」

インデックス「ホントッ!!?」

一方通行「なら今の内に食材を盗っとくか」

 もはや発言へのツッコミは不要のようだ。







 食い逃げした飯屋近くの病院。

 診察を終えた結標を、こっそりと病院から連れ出した土御門がいた。

 こっそり連れ出した理由は、もちろん診察代を払わない(払えない)ためだ。

結標淡希「情けないわね……」

土御門元春「体調が万全になれば、もう少し楽になるぜよ。それで?」

結標淡希「ほとんどの毒は中和されたけど、まだ演算は辛いかな……」

土御門元春「まぁ、顔色は良くなってるし、口調もはっきりしてきたからな。完治に近づいてる証拠だろう」

 まだ車椅子に座っている結標だが、治ってきているのは明白だ。

 盗賊グループとして完全復帰できる日も近いだろう。

 尤も、今の彼らは海賊なのだが。







御坂美琴「はいは〜い。食料は積めるだけ積んじゃってぇ」

 美琴は、買ってきたばかりの食糧を船に積ませていた。

 配下に混じって、海原も手伝っている。

海原光貴「御坂さん。こちらは冷蔵庫にお入れしますか?」

御坂美琴「お願いするわ。あと、船長と呼びなさい」

 多少、調子が狂いつつあるようだが、手伝ってくれるなら文句は言わない。

 美琴の船の出航準備が整うまで、それほど時間は掛からなかった。

海原光貴「配下の皆様は、もう乗船されたそうですよ。お乗りにならないのですか?」

御坂美琴「一方通行には一言くらい残しとかないとね。勝手に別れるのも、何か嫌だし」

海原光貴「………ちょっと、よろしいでしょうか…」

 海原は少し迷ったようだが、ここは尋ねてみることにした。
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