とある禁書の二次創作

□とある海賊の航海日誌【読切版】
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一方通行「なンだテメェはァ? あァ?」

上条当麻「…………」

乗組員A「キャプテン・アクセル。海に漂っていたため、引き上げてしまいました」

一方通行「ンなこと聞いてンじゃねェよ。コイツが何者なのかが重要だろォが」

上条当麻「え、え〜っと……。どういう意味でせうか……?」

一方通行「……決まってンだろ……」

 一方通行はニヤりと笑う。


一方通行「海賊だったらブチのめす。海軍だったらブチ殺す」

上条当麻(どっちにしろアウトーーッ!!)


 上条は、掲げられた海賊旗を見上げた。

 眼窩の赤いドクロの旗。

 間違いない。上条は確信する。


 この船は、世界に七人しかいない海賊王の一人。

 ベクトル海賊団船長、海賊王・一方通行。


上条当麻(最悪だ……。不幸にも程があるだろ……)

 上条が本気で泣きそうになる瞬間、ポツリポツリと降り始めるものがあった。

一方通行「チッ、雨か……」

乗組員A「おかしいですね……。航海士の情報では、本日の天候は霧続きのはずなのですが……」

一方通行「なンだと?」

乗組員B「船長ぉ!! 一方通行船長ぉ!!」

 突然、声を荒げて走り寄る乗組員がいた。

一方通行「どォしたァ?」

乗組員B「前方より、突然サイクロンが出現しましたぁ!! それも大型です!!」

一方通行「はあァッ!!?」

上条当麻「…………」

乗組員C「後方に、大竜巻を三つ確認!! 艦隊が被害に遭っています!!」

上条当麻(……艦隊……?)

 上条は、霧の海を覗いてみる。

 確かに、うっすらとではあるが、何隻もの海賊船のシルエットが確認できた。

 もはや何十隻、何百隻かも分からない海賊船は、その全てがベクトル海賊団の艦隊なのだろうか。

上条当麻「…すっげぇ……」

 しかし、突然降り出した雨とサイクロン。

 大竜巻に挟まれた海賊艦隊は、壊滅の危機に直面している。

一方通行「クソッタレがッ!!」

 一方通行が船首へと向かう。

 上条も、何となく後を追った。
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