とある禁書の二次創作
□絶対迷宮グリム 学舎の園と幻の家族【読切版】
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朝食を終えると、一度自室へと戻るグリム家。
その間に、夢魔は家を抜け出して外へ出掛ける。
しばらくして、ヘンリエッタたちが家の玄関から出てきた。
ヘンリエッタ「お待たせ〜! あれ……、夢魔は?」
ルートヴィッヒ「アイツのことだ。どうせ先に行ったんだろ」
ヤーコプ「ふふ、アイツも相変わらずだな」
ヴィルヘルム「そうですね。さぁ、僕たちも行こうか」
ヘンリエッタ「うん!」
グリム家の四人が、同じ道を歩き出す。
向かう先は、全員が同じ場所なのだ。
グリム家より、多少の時間をかけて行き着く森の中。
そこには、広大な敷地を持った大きなおきな建物がそびえる。
“グリモア学園”。
そう呼ばれるこの施設は、グリム家が通っている魔法学校である。
夢魔「やれやれ。やっとご到着か」
ヘンリエッタ「あ、夢魔!」
校門を抜けると、いつも夢魔が出迎えてくれる。
その姿は黒猫ではなく、悪夢の道化師、列記としたインキュバスの姿だった。
ヤーコプ「お勤め、ご苦労様だな。夢魔」
夢魔「つーか、学園長先生が一番に来るべきだろ?」
ヤーコプ「いや〜、ヴィルヘルムのコーヒーから離れがたくてな〜」
ヴィルヘルム「さり気なく僕のせいにしないでくださいよ」
この学園の創設者はヤーコプであり、グリモア学園の学園長を務めている。
ちなみに、ヴィルヘルムは副園長兼召喚魔法術の教師を務めている。
夢魔「早いとこ行きなよ。教室に皆が待ってるぜ」
その言葉を聞いて、グリム家の四人は走り出した。
走ると転ぶぞ〜、と夢魔が言い、大丈夫〜、とヘンリエッタが答えた瞬間に転ぶ展開は、もはや日常茶飯事だった。
ヘンリエッタ「いったぁい……」
ルートヴィッヒ「ベタだな」