とある禁書の二次創作

□一周年記念小説リベンジ【予告宣伝版】
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 招集を受けたグループの面々は、渡された指令を受け取ると顔を見合わせた。

一方通行「なンだこりゃ……」

海原光貴「自分たちは、偵察部隊か何かと間違われているのでは?」

結標淡希「でも、グループを動かさなければならないほど……って考えれば普通じゃないことくらいは分かるわよね」

土御門元春「まぁ、とにかく今は目的地に着くように頼んでおくか」

 四人を乗せた黒いキャンピングカーが動き出す。

 受け取った指令が示す、その場所へ。





 学園都市で唯一、統括理事長を含んだ誰の目も届かない“死角区域”があることが発覚。

 ただちにグループの構成員を招集し、その場所へ赴け。





 指示されていたのは、第十九学区の外れ。

 直線距離にして、第七学区から最も離れた場所だった。







 目的の場所に到着したグループの面々は、異常すぎる光景に誰一人として動けずにいた。

一方通行「…………オイ、何だ…ありゃ」

 答える者は誰もいない。

 答えられる者など誰もいない。

 学園都市を囲む防壁と廃墟ビルとの間。

 紫色の煙を吐き続ける大穴が、ぽっかりと大口のように開いていた。

海原光貴「………中に入って調べることが、一番適当なのでしょうが…」

結標淡希「さすがに気が引けるわ……。今回の案件はパスしましょう」

土御門元春「その方が良さそうだぜよ。キャンピングカーは直ちにバック。第七学区へ帰るぜい………ん?」

 そこで、土御門は辺りを見回した。

海原光貴「どうしました?」

 海原の問いに、土御門が真顔で訊ね返した。



土御門元春「……おい、一方通行はどうした」



 第十九学区の辺り一帯。

 一方通行の姿が消失していた。







 目が覚めた一方通行は、グラグラと揺れる視界と頭に苦しみながら身を起こす。

 どうやら頭を打ったらしい。

一方通行「……痛っつー…」

 第十九学区の廃墟ビルの中。

 こんな所に入っていただろうか?

 そう思った時に、外から海原の声が聞こえてきた。

海原光貴「あー、いらっしゃいました! 一方通行さんです」

土御門元春「おー、見つかったか」

 どうやら捜していたらしい。

結標淡希「まったく、こんな廃墟ビルの中で何してたのよ」

一方通行「……さァな。俺にも思い出せねェ」

海原光貴「しかし、無事で何よりです」

土御門元春「そんじゃ、さっさと“第三学区”に帰るとするか。キャンピングカーに戻るぜよ」

一方通行「…………は?」

 一方通行が不意に立ち止まり、歩を進めていた三人が振り返る。

海原光貴「……? どうしました?」

一方通行「オイ…。今、何処に帰るっつった?」

土御門元春「何処って……“第三学区”だぜよ? それがどうした?」

 何でもないかのように返された言葉。

 第七学区ではなく、第三学区に帰る……?

一方通行「そンなところに行ってどォするってンだ。さっさと第七学区に向かっt」

結標淡希「第七学区……? 第五学区までしか存在しないのに、そんな学区があるわけないでしょ」

 皆の口数が一気に減った。

 何を言っているのか理解できなかった時、停められていたキャンピングカーの扉が勢いよく開いた。

 そして、中から出てきた少年の姿。





一方通行「オイ、テメェら。いつまで偵察してやがンだ。くだらねェ案件なンざ、さっさと…終わら……せ………」





 ここまで来て、ついに“五人”の目が見開いた。

 一方通行が、二人いた。

一方通行(これは………いや…“ここ”は何処だ………ッ!?)





 一方通行が迷い込んでしまった“もう一つ”の学園都市。

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