I say mya-o

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『書類整理ぃ?!』



「そうだ」



どうも、シグヲです。
只今我が学園の一番のお偉い様・提督のお部屋にいます。俺は毎回崇拝の意を込めて(勝手に)じじぃと呼ぶけれどね。



『俺は細々とした作業が嫌いっだって知ってるだろ、じじぃ!!』



裏任務等でよく顔を会わせているから、俺の好きな物も嫌いな物も知り尽くしているであろうじじぃに罵声を浴びせるのはこれで何度目だろう。勉強も判子押しも嫌いなこの俺に書類整理をやらせるなんて、提督ともあろうお方がそんなに死に急いでいるのだろうか。俺の機嫌をわざわざ180°ひん曲げるんだからきっとそうなのだろう。そんなに逝きたいのなら、俺の機嫌を削がなくとも、2つ返事でぐちゃぐちゃにしてあげるというのに。



「とにかく任せた」



『嫌だね』



「なら仕方無いな。お前の為にフランを買っておいたのだが『やらせていただきまーす』よく言った」



ああ……俺の馬鹿。
そう、俺はこの世の何よりもフランを愛していた。とにかくフランには目が無く、三度の飯よりもフラン…というか三食全部をフランにしたいくらいフランが大好きだった。



というか、じじぃ…やっぱり俺の好き嫌いを知ってんじゃんか!
しかし一度了承してしまったら後の祭り。フランに釣られた俺は、不本意ながらもしぶしぶ書類を取りに行こうと背を向けたら、今一度呼び止められた。



『まだ何か?さっさと行きたいんだけど』



「図書館に行け。そこに書類も置いてある。それから――…」



『はいはーい、じゃぁな!』



「おい、まだ話は…!……ハァ」



まだ何か言おうとしていたじじぃを置いて、今度こそ部屋を出た。フランを食べるにも、面倒な雑務はどうしても避けれない。ならばちゃっちゃっと初めてちゃっちゃっと終わらせたい。俺は普段使わない持ち前の足の速さをここぞとばかりに使って、猛ダッシュで図書館へ向かった。





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