エピソードX


□偽りの天使
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――なんで、飛べない天使が隊長なんだ?


こっちが聞きたいよ。

神様の考えることは分からない。でも、これだけは分かる。


ボクは飛べない。


「えっこの羽根飛べないのか?」

だからかな。

「天使なのに変だなお前」

初対面での第一印象は最悪で、こいつとは仲良くなれないなと即座に思った。

「俺の名前はロイ。これからよろしくなっ!」


――世界は皮肉に満ち溢れている。

飛べない空。パートナー。


離れたくても離れられない存在にボクは変わらぬ笑顔で接しながら。

「うん。よろしく」


――自分自身に、吐き気がした。
 
 
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