エピソードX


□インヴァースの輪舞曲
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この世に蔓延る悪を討つのが正義なら。


悪が枯れた時。

正義は何処へ向かうのだろう。


なんて。

そんな疑問は野暮というものだ。


どんな正義のヒーローだって悪が朽ちようと闇が晴れようと夜が明けようと明くる日の淀みを取り零さないように目を光らせることだろう。僅かに頭を見せたのならば例えそれが幼なくとも雑草のように引き抜いて。何も剣戟や爆発音に揉まれるばかりが正義ではないのだから。

尽きない。途絶えない。


W正義Wという希望の象徴に。

一生をかけて寄り添い生きていく。


「はい」

それでも例えば父のように慕う存在が。

望むのであれば。


望まなくなるのであれば。


「……分かりました」
 
 
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