エピソードX


□偽りの天使
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胸を打つ心臓を落ち着けるように手を置いて、ロイは振り返る。

「おま……メタナイトかと思ったじゃんか」
「不平があるようなら聞いてやろう」

遅れて現れたのは仮面騎士、メタナイト。

「言ってみろ」
「と、特にありません」

……やれやれ。


「ハローハロー! お兄ちゃんがお世話になりまーす!」

元気よく入場してきたのはローナである。まさか、彼女も?

「こらローナ。出しゃばらないでちょうだい」

かと思いきやその姉シフォンが現れて彼女の首後ろの襟を引いた。

「全くもう恥ずかしいんだから。……ごめんなさいね、遅くなっちゃって」
「いいよ気にしないで。受けてた依頼を無理に片付けさせたんだから」
「ったく、大変だったんだからな」
「何となく察してるよ」

ネロは腕を組んで溜め息を洩らす。

「今度の作戦は“空”でしょう。私たちは退散するわ」
「頑張ってねぇー!」


……えっ?


「悪いなルーティ。うちの妹たちが騒がしくて」

……今。

「まるで嵐が来たみたいだったな」
「ファルコ!」
「トリさんにしては、頭が冴えてるじゃない?」
「作戦遂行中に撃ち落としてやってもいいんだぜぇ、カービィ?」
「へえ、返すようになったじゃん」

空って――
 
 
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