短編集
□青い春
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私は歩いて5分の並盛中学に通っている
先月2年生になった
しかし内気で弱気で病弱な私は、毎日を図書室のカウンターで過ごしている
もちろん、学校公認
ここに居れば欠課扱いにはならないし、本に囲まれて個人的に嬉しい
数学の本も国語の本も沢山だから、学力なら同年代の子には負けない
そんな私が、彼に出会ったのは昼下がり
丁度お昼時で、私もお弁当を食べていた時だ
ふ、と机に影が落ちる
反射的に勢いよく顔を上げると、そこには学ランの少年が居た
逆光で顔がよく見えない…
まぁ私は、顔を見たら話せなくなるから…逆光はありがたかった
『…どなたですか?』
危険も顧みず、無謀にも話しかける私
…思えば、これがダメだったのかも
「へぇ、僕のこと知らないんだ」
口許に弧を描く彼
…詳しく言えば、描いたような気がした