短編集

□しなやかに、強く、美しい
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その日の夜中、またミーとセンパイでの任務があった



木々の間を縫うように走り、目的地を目指すミーたち

闇に紛れる隊服とは対照的な、白金の綺麗な髪

それを追うように、ミーは駆ける



その白金も、ミーには愛しく思える





「…センパイー」

『………何』

「髪、綺麗ですねー」

『うん、ありがとー』

「今日も好きですよー」

『うん、ありがとー』

「センパイはどうなんですかー?」

『うん、ありがとー』



「…話、聞いてませんねー?」

『あたりまえじゃん』




…ひどい

いや、前々からこんな反応をしてたけれども

ミーももう慣れたけど





そんなやりとりをしていると、目的地へと着いた

深い深い森の中の、廃屋

地下の実験室が今回、壊滅させなければいけない場所





『んー…報告書の時間も取るとして、制限時間は30分かな』

「わかりましたー、20分で終わらせますー」

『え、なんか今日フランがやる気だ』

「…残った10分、センパイの時間をミーに下さいー」




ミーの、出来る限りの真剣な眼差しを向けてみる

それに感づいたのか、センパイは『別にいいけど…』って言った

ミーは頑張って、ちゃんと告白しようと思う



この、居心地の良い関係が崩れてしまうかもしれないけれど

このままは、ミーには耐えられないから







任務の後に言う理由はひとつだけ

崩れる前に、もう一度だけ









ミーの惚れた、センパイの横顔を










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