もんぶらん。

□主人の帰館と失踪執事
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『…なんでもう解散したんだよ!!』



あれからが早かった。






解散した後、別室で上層部のみの会議が開かれた。

でも手がかりが何もない、ということで話はまとまっていき、あっという間に解散していた。 

このメンバーをまとめていたツナさんは凄いんだって、改めて実感した。

でもだからって…俺の意見くらい聞いてくれてもいいだろうに…。



『…でさ?俺が挙手で意思表示しようとした途端だぜ?』

「ああ…。」

『みんなして立ち上がって、今日の会議は以上!各々何か成果を上げるよう努めよ!みたいなさぁ?』

「うん…。」

『そりゃタイミング掴めなかった俺も悪いし?なりふり構わず言っときゃよかったとは思うけどさぁ?』

「そうか…。」

『……ねぇ雫、話聞いてる?』

「あ?あぁごめん…。で何だっけ。」



そう言いつつも、携帯を触る指は止まらない。

そりゃ愚痴を聞くだけでいいと言ったのは俺の方だが…ここまで生返事だと切なくなる。



『…俺の愚痴に生返事しちゃうほど何か重要な事?』

「いや…別に大したことはしてねぇよ。」

『嘘。そういうときって大体大切な事してる。』



そうやって言い寄ると、ため息をひとつ吐く雫。

そして目の前のテーブルに携帯を置いた。



「ほら、大したことはねぇ。話聞いてやるからもう一回話せよ。」

『もう一回?結構愚痴だらけだけど…雫怒んない?』

「愚痴は省いて話せ。」

『あっはい……。』



それから晴さんとの出会いや、晴さんの持つ特殊な炎の力など。

俺の知っていることすべてを雫に話すと、「少し調べてくる」とかなんとか言って帰ってしまった。




『…みんなしてさ、俺の話聞かな過ぎだと思わねぇ?レオン。』



1人寂しくレオンに一方的に話しかけた後、傍に置いてあった水を口に運ぶ。

晴さんの事も雫の事もツナさんの事も考えずに、俺は寝ることにした。





翌朝、激しい頭痛と共に目が覚めた。

身体を起き上がらせようとすると、身じろぎすら出来ないことに気付く。


きつく縛られた両腕両足、押さえられたようにして開かない瞼。

耐えきれぬ頭痛に、内臓がかき回されるような感覚。

現状を理解するので精一杯だった。

どうにかして瞼を開き、ベッドサイドを見る。とそこには、



「……。」



じいっ、と俺を見ている、

今屋敷のみんなに心配をかけている張本人。





『…っ、な…さん…?』



彼が、そこに立っていた。














14主人の帰館と失踪執事










(彼は、いつも通りの彼だった。)



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