もんぶらん。

□主人の帰館と失踪執事
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『晴さーん…入りますよー…?』



物音のしない部屋。一応ノックをして扉を開く。

部屋に明かりはついておらず、肩に乗せてたレオンにそっと触れた。

なんだか、廊下より気温が低く感じられる。

明かりは窓から注がれる月明かりだけ………ん?



『窓、開いてる…?』



どうりで廊下より寒いはずだ。

閉めようと一歩中に入って気付く。


なんで、何も気配がしないんだ?

おかしい。晴さんはどこへ行ったんだ?


『………外っ!?』


急いで窓へ駆け寄り、下を伺う。

そこには、微かだけど偽ツナさんの時と同じ炎が灯っていた。


『晴……さん…?』


一番疑いたくない親友を、俺は疑ってしまった。






『…まさか、晴さんがそんなするわけないもんな。だったら俺に正体明かしてねぇもん。』


ぶつぶつと独り言を言いながら、大広間までの道を歩く。



結局、晴さんの部屋を探したけど何の手がかりもなく。

晴さんもツナさんと同じく誘拐された、と自分のなかで結論付けた。


『ただ、リボーン達が信じてくれるか…なんだけど。』



そううだうだと考えている間に、大広間についてしまった。

大広間には、晴さんを除くすべての使用人、医者のシャマル、そして守護者の皆様が集まっていた。


「空、遅かったな。」

『うん…。』

「おや、執事が居ませんね。」

「晴輝なら空に任せたはずだぞ。」

『そのことなんですけど…。』


どうにも言いにくい。

全てのメイドさんとか、シャマルとか、みんなが俺に注目してる。


でも、早く言わないとリボーンの逆鱗に触れちゃうし…。



腹をくくった俺は、深呼吸をして口を開く。




『…晴さんの部屋を見に行ったところ、人の気配はありませんでした。』



「…それは、逃げたってことか?」

「一緒にさらわれた、ってこともありえるのな。」

『どうなのかはまだわかりません。個人的には後者だと考えてます…。』



そしてあの不思議な炎を見たことを、伝えるか迷った。

でも、ここには炎と関係のない使用人さんもいる。

今伝えるのはよそう。

使用人の方々が居なくなってから…。

それから話すんだ…。















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