臨也お題

□俺を選ぶでしょ?違う?
1ページ/1ページ

ある日の出来事。
俺は移動教室で新羅と並びながら歩いていた。
横で同棲している彼女の話をぺらぺら話していたが俺はあんまり気にとめず聞き流す。
階段を上り終わる時、上の踊り場から話声が聞こえた。

「俺、ずっと前から理央の事好きだったんだ!」

なんだとっ…!?
俺は思わず立ち止まり、隠れて会話を盗み聞きする。
新羅も気付いたみたいで俺の横にしゃがみ込み、ニヤニヤしながら小さい声で話かけてきた。

「臨也どうするんだい?理央の事好きなんだろ?」
「うるさいな。」
「早くなんとかしないと!」
「わかってるよ、うるさいな!」

俺と新羅は小さい声で言い合いをしていたが内容は聞こえた。
少し考えさせてくれないかと理央は言っていて、相手の男はそれを承諾し、その場を去っていく。
理央が降りて来る気配はない。
俺は意を決した。

「理央。」
「あ、臨也!」
「あいつと付き合うの?」
「…!?聞いてたの!?」
「聞かれちゃまずかった?」
「まずくはないけど…。」
「ちょっ!!臨也…!」

新羅は俺のことを止めようと腕を引っ張るがそんなの気にしてなんかいられない。
理央は特別な存在だから取られたくない気持ちで一杯。
そして、こんな噂も聞いた事がある。

『理央は折原君が好きらしい』

だから俺は賭けにでた。

「理央ってさ、好きなやついるんでしょ?」
「なんで知ってるの?」
「いるんだったらなんで断らない?変に期待させるなんて趣味悪いよ?」
「趣味悪いって…、臨也には言われたくないなぁ。」
「うんうん、確かに…ぐふぁっ!!」

よし、脇腹を殴っておけばしばらくは静かになるだろ。

「趣味が悪い云々はさておき、俺さぁ、理央の事好きなんだよね。」
「………へっ!?」

明らかにさっきとは違う反応が返ってきた。
噂は本当だったんだと知った俺は口角を上げにやりと笑う。
そして一言。

「理央はさ、俺を選ぶでしょ?違う?」

首を傾げながら問いかける。
すると理央は真っ赤になって俯き、小さな声で答えた。

「………違わない……臨也を選ぶよ…。」






“うん、じゃあ俺の胸においで!!”
(うん…!)
(やっとぎゅーって出来た!)
(…………僕はいつ起きたら良いのかな…)





END


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ