黒子のバスケ

□大事なモノ
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「…おい。」
「…なによ、勝手に人んち上がって来て。」
「なんで今日、俺の部活が終わるまで待ってなかった?」
「別にうちらはただの幼馴染じゃん、そんなん私の勝手だし。」

こいつ理央は俺とさつきの幼馴染で、ちぃせぇ頃から俺らはいつも一緒だった…。
だけど最近の理央はどうも様子がおかしくてたまらない、それはさつきも気付いてるみてぇ。
現に今だって俺と目を合わせようとしない。

…俺なんかしちまったか?

考えても考えても原因がさっぱりわかんねぇ。

「…ちょっと!」
「あぁ?」
「いつまでそこに居る気?着替えたいから出てってくんない?」
「別に気にすんな………てっ!!??おまっ…!!その首の青痣っ!?」
「…!!」

理央は咄嗟に首筋を手で覆って隠した。
でも俺は無理やり手を退けて、首の痣を確認しようとした矢先……

「理央…お前その顔……!!」
「見ないでっ!!お願い!!」
「…またあいつ等か?」
「……。」

当たりだな。
あいつ等とはよく部活を見学しにくる頭の悪そうな女共。
理央は俺やさつきの幼馴染だからもちろんキセキの世代とも仲が良い。
そんな理央を妬んでか嫌がらせをしてくるバカがいる。
もちろん理央本人からもある程度聞いてたし、さつきからも聞いてた俺は理央をそんなバカな奴らから守ってきたつもりだった。

「バカかっ!!なんでもっと早く言わねぇんだっ!!??」
「だって…、だって大輝は彼氏じゃないもん!!なのに…巻き込みたくなかったんだもん…。」

大輝はバスケに集中してほしかったから…!!
そう言って理央はボロボロ泣きだした。
なんで自分が辛い目に合ってんのに俺なんかの心配なんてすんだよ…!!
バカ野郎っ!!
俺は衝動を抑えられず理央を抱きしめた。

「だったら理央の彼氏になる!!」
「でも…っ!!」
「うるせぇっ!彼氏になって俺が理央を守ってやる!!」
「大輝……っ!」
「バスケもそりゃ大事だ、だけどな、理央だって大事なんだよ!!」

しばらくの間理央は俺の胸で泣きじゃくってた。
相当我慢してたんだな…。
ゆっくり髪を梳いて慰めてると、どうやら落ち着いてきたらしく近況を話し始めた。
俺は沸々と込みあがる怒りをなんとか抑えて理央に言いきかす。

「学校にいる間は絶対俺のそばを離れんじゃねぇ、どうしても離れる時はさつきといろ。」
「うん…。」
「またなんかあったらすぐ俺に言え。」
「はい。」

コクンと頷いた理央の顎をクイッとあげて俺はキスをした。





“初めてのキスは誓いのキス…”
(…んっ)
(痛むか?)
(少し)
(早く冷やさねぇとな)
(傷残んないかなぁ?)
(どっちにしろ俺が貰ってやるから安心しろ)





END


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