黒子のバスケ

□幸せいっぱい
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―――10月31日。
今日はオレの日ー。
……間違えた、ハロウィンだー。
理央ちんが今日はたーっくさんお菓子を用意してくれるって言ってたっけー。
楽しみー!

「あ、敦!こっちこっち!」
「おまたせー。」

理央ちんはちっこくて子供みたいでかわいー。
前それを言ったら、敦の方が子供だって言ってた。
オレ子供じゃねーし。
まー、それはさておき…。

「これからどっか行くのー?」
「ん?うちんち。」
「理央ちんのおうちー?」
「そうだよ!」
「理央ちんのおうちに行けばお菓子いっぱいあるのー?」
「たくさん作っといたよ!部活のあとだからお腹も空いてるでしょ?」
「もーぺこぺこー。」
「じゃあ早く行こう!」

理央ちんはオレの手を引っ張って早くって急かしてて、オレは理央ちんの手を取って歩き出す。
着くまで他愛のない話をしをたくさんした。
理央ちんはどんな話もちゃんと聞いてくれるから、理央ちんの隣は落ち着くなーって思う。
初めてだし、お菓子食べてる時以外で“幸せ”を感じるなんて。

「ここが理央ちんのおうち?」
「そうだよ!」
「一軒家かと思ってたー。」
「私は敦と同じ高校に行くために秋田へ来たんだよ?そりゃ一人暮らしだよー。」
「寮入んなかったのー?」
「規則厳しいし、縛られたくなかったから。」
「でも危ないしー。」
「でも決まりとかないから敦とも気軽に会えるしー。」

オレの真似しながらふにゃふにゃとほほ笑む。
理央ちんてオレを幸せにするのがうまいと思う。
オレは幸せ者だなーって考えてると、もの凄く甘くて良い香りがした。
いつのまにか理央ちんは玄関を開けて、どーぞってしてる。
甘い香りに誘われるがまま中へ進んで行くと、目の前にはいっぱいのケーキやクッキーやらがあって…。
ここは楽園だと思った瞬間だった。
まじで。

「理央ちん…、オレ今すごく幸せなんだけど。」
「喜んでもらえてよかった!」
「さっそく食べていいー?」
「ダメ、まずは手を洗いに行きましょう!」
「むー…。」
「そんな顔してふてくされたって駄目ですー。」

頑張ってくれた理央ちんにオレは頭があがらないなー。
素直に言うこと聞いてあげよーっと。
でもなんかさー…。
こういう会話したり、一緒に洗面台で手を洗ったりしてるとさー。





“同棲してるみたいだよねー”
(あらら、理央ちん顔真っ赤)
(なんかオレまでつられるしー)
(理央ちんのおバカー)
(でも、大好きー)





END


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