黒子のバスケ

□甘い香水
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―――10月31日。

「理央っちのおうちに初めてお呼ばれしたから緊張するっス…。」

“今日学校が終わったらうちに来てくれる?”
って、理央っちからお誘いのメールが来て、オレはドキドキが止まらないまま今に至る。
家までの道順をこと細かく教えてくれたので迷子にならずなんとか到着することができたっス!
さて、とりあえずインターホンを鳴らそう。

ピンポーン!

“鍵開いてるからどーぞ”

…なんて不用心なっ!?
オレはおそるおそる玄関のドアを開けて中に入る。

ふわっ―――。

なんかめっちゃ甘くて良い香りがするっス!!

「お邪魔しまーす…。」
「はいよー。」

理央っちからつい最近、アパートで一人暮らしをしてるって聞いた事があるっス。
親は海外赴任で滅多に帰って来ないらしく理央っちは日本に一人残ったとか。
危ないから一緒に住むって言ったら殴られたっけ…。
でももう理央の家の場所が分かったから度々来よう、うん。
玄関入ると廊下があって、色々考えながら甘い香りにボーっとしてると奥から声が聞こえてきた。

「涼太ー?なにしてんのー?早くこっちにおいでよー!」
「今いくっス!」

廊下を進みリビングに入ると、そこはハロウィンの装飾で飾り付けられていた。

「わーっ!!すごいっス!!」
「今日はハロウィンだからね!」
「お菓子もいっぱいスねー!見た感じ手作りっぽい?」
「そう!頑張って作ったよー!」
「…!だから最近の理央っちは甘い香りがしてたんスね?」
「まぁ色々試しに作ってはむっくんに試食してもらっててねー。」
「…まさか今日学校休んだのって…。」
「うん、色々準備してたの!」

だって涼太と付き合って初めてのハロウィンだし!

って…!

「もーっ!!なんでそんな可愛いこと言うんスかーっ!!」

あまりにも嬉しくてオレは理央っちをぎゅうってした。
ぎゅうした理央っちはやっぱり甘い香りがして…。





“お菓子より理央っち食べたいっス!”
(ちょっ…!!)
(んーっ!)
(やだっ!どこ触ってんの!)
(あだっ!?殴らなくても!!)
(バカ!)





END


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