黒子のバスケ

□甘いイブ
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―――12月24日。

「おい、さつき。」
「ん?なーに?」
「今日の練習何時までやんだ?」
「今キャプテンに聞いてくるよ!」

待っててって言いながらさつきは若松さんに今日のスケジュールを聞きに行く。
明日はクリスマスだから早く帰って理央と一緒にいてぇんだけどな…。
今日1日位なら練習サボったってオレは構わねーんだ。
でも理央は笑顔で、出なきゃダメだよ!って言うから練習する。
だけど早く帰りてぇ。

「おまたせ!明日は練習ないから、今日は20時までやるみたいだよ!」
「まじかよ…。」
「あ、理央ちゃん?」
「おう。」
「んー…。だったらもう帰っちゃえば?」
「…珍しーな、お前がそんな事ゆーなんて。」
「だって…、理央ちゃんが楽しみにしてるの知ってるし…。理央ちゃんの為に言ってるの!大ちゃんの為じゃないよ!」
「わーってるよ!…じゃぁわりーけどうまく誤魔化しといてくんね?オレ帰るわ!」
「理央ちゃんによろしく伝えといてね!」

オレはさっさと部室へ着替えに行き、とっとと理央んちに向かう。
オレにとってバスケはかけがえのねぇもんだ。
理央はバスケを優先しろって言ってくれんだけど、理央だっておんなじくれぇ大事で…。
色々理央への想いを考えてたら理央んちのアパートに着いた。
インターホンを押してまたオレは考える。
ここまで学校から歩いて着くから近くてうらやましい。
理央は一人暮らしだからオレも一緒に住むかな…。
悩んでいると…。

ガチャッ!!

ゴッ!!!!!!

「いってぇぇぇ…!!!」
「えっ!?大輝!!??」
「おまっ…!!いつもこんな勢いよくあけんのか…?」
「いや普通に開けたつもりだったんだけど…、なんかごめん!」
「なんかって…。」

理央が出てくる足音も聞こえない程考えてたのか?オレは…。

「ごめんって!…てかなんで大輝がここにいるの?練習は?」
「終わったから来たんだよ。しかも明日は練習ねーからこんまま泊ってく。」

理央はきらきらした笑顔で何度も、ほんと?って聞いてくる。
この笑顔にオレもさつきもやられたんだな…。

「あ、でも今日大輝と会えないと思ってたからご飯なんも作ってないや…。」
「なら今から作れよ。作ってる間にオレは風呂入ってっから。」
「ん、わかった!」

オレはズカズカと家ん中に入って、風呂に直行する。
理央はエプロンを着けてからオレの着替えを脱衣所まで持ってきた。

「ちょっ!?服脱いでるなら言ってよ!!」
「あぁ?いまさらなんだよ。」

何回も人の裸見といて何言ってんだか。
こんなに初心な反応みせられちゃーなぁ…。
顔を真っ赤にしながらオレに背を向けた理央をぎゅっと抱きしめ、耳元でわざと呟く。





“今夜は寝かせねぇからな?”
(今日練習だったんでしょ!?)
(だからなんだよ?)
(疲れてるでしょ!?)
(理央と一緒にいんだから元気になるに決まってんだろが)





END


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