黒子のバスケ

□風邪-青峰大輝-
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『風邪ひいたから看病しにこい』

…それが人にモノを頼む態度か?
朝起きてメールのランプが点滅してるのに気付いたのが運の尽きだった。
しょうがないな。
私は大輝に甘いんだろうか…。
あんなんでもやっぱり大好きな恋人だしね。
とりあえず身支度を済まして隣の大輝んちへ向かう。

ピンポーン!

…誰も出てこないし!!
親御さんもいないの?

ブ―ッ…ブーッ…

メール?

『鍵ポスト』

不用心だなぁ…

ガチャ

「お邪魔しまーす。」

この静かな感じ、大輝以外誰もいないんだな…。
とりあえずスポーツ飲料だけでも持って部屋に行こう。

こんこん

「おー…。」
「大丈夫ー?」

力のない返事が聞こえてきたのでとりあえず中に入る。
相変わらず散らかってるなぁ…。

「熱測ったの?」
「38度。」
「顔も心なしか赤いね。はい、飲む?」
「ん、さんきゅ。」

こうも大人しいと調子狂う。
よほど辛いのかな?

「なんか食べた?」
「食欲ねぇ。」
「なんか食べなきゃ薬飲めないじゃん。」
「んー…。」
「待ってて、お粥作ってくるから。」

私が大輝の側を離れようとしたら腕を掴まれた。

「大輝?」
「……ろ。」
「え?」
「ここにいろよ…。」

長くいるけどこんな大輝の姿は初めてで…。

「ん、わかった。」
「理央が居てくれてよかった。」

そんな事を言われちゃったら今日位は優しくしてあげようと思った。





“たまには…ね”
(寝顔は子供みたい)
(可愛いなぁ)
(あとででいっか、お粥は…)





END


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