名探偵コナン

□とある日のこと
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ここは警察庁警備局警備企画課、通称公安と呼ばれる俺の職場。
今日は久々に公安へ顔を出した。

「あー!!風見先輩!それ私のおやつ!!」
「知らんな。」
「知らんじゃないですよ!私が冷蔵庫に入れてるの見てましたよね!?」

部下の風見と新人の桐月が何やら言い争いをしている。

「おい、風見。お前何をやってるんだ?」
「あ!降谷さん!お疲れ様です!今日はどうされました?」
「上に報告書を出さなくちゃならないから出社したんだ。」
「降谷さんお疲れ様です!風見先輩は同じの買って来てください。」

俺の前でまだ言い争いをする二人。
……なんだか面白くない。

「桐月、ちょっと頼みがあるんだが。」
「はい!なんでしょう?」
「安室の方で依頼があってね、カモフラージュの為に一緒に来てくれないか?」
「降谷さん!?なぜ桐月なんですか!?」
「喫茶店に行くんだ、なぜ男である風見と行かなくちゃ行けないんだ?だったら桐月が良い。」

桐月は喜び、風見はわなわなしながら俺に何か言ってくる。
だけど俺は聞こえないふり。
当たり前だろ?
どうせ喫茶店に行くなら想いを寄せている桐月と一緒がいい。

「さぁ、桐月、行こうか。」
「じゃあ風見先輩行ってきます!」
「ちょっと待ってください!降谷さん!報告書は!?」
「このUSBにまとめてあるから印刷して提出しといてくれ。じゃ。」

ウキウキしながら横を歩く桐月は本当に可愛い。
とても空手の有段者とは思えないし、公安にも見えないその風貌。
こうしてるとただのOLみたいだな。

「どうする?一旦着替えに家へ戻るか?」
「そうですね!降谷さんが私服だから私も私服じゃないとおかしいですもんね、一旦家に寄ってもらっても良いですか?」

わかった、と返事を返して車に乗り込みとりあえず桐月の家へ向かう。
何度か残業で終電を逃した桐月を送った事がある俺はナビなど必要なくスムーズに車を走らせる。
家に着き、桐月は着替えを済ませてまた車に乗り込む。

「お互いに私服だとデートみたいで少し恥ずかしいですね!」
「僕は理央さんとデートだと思っていたんですが?」
「急に安室さんは心臓に悪いです…。」
「照れてるんですか?」

桐月の反応を楽しみながら喫茶店に向かう俺は今すこぶるご機嫌だ。





“さぁ、着きましたよ!”
(理央さんは何を飲まれますか?)
(……アイスティーで)
(元気がありませんね?どうしました?)
(安室さんのせいじゃないですか!)
(おやおや)





END


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