名探偵コナン

□あなただけ
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どうしてこんなことになったんだろう。

「おや、お目覚めですか?」
「ここは……?」
「ここは僕の自宅です。」
「……なんでですか?」
「理央さんとずっと一緒にいる為ですよ。」

満面の笑みですごい事言ってる。
これは言わゆる誘拐?
それか監禁?
とりあえず最後の記憶を思い出してみう。
確か、職場から帰ろうとしたら安室さんと遭遇したんだ。
送って下さるというので安室さんの車に乗り込んで会話をしてる最中に気が遠くなって、起きたら見知らぬ場所だった。

「今日から理央さんはここで僕と一緒に暮らします。」
「私に拒否権はないのですか?」
「そうですね。」
「私にも仕事があるんですけど。」
「あぁ、それなら退職する旨をもうお伝えしてあるので心配はありませんよ!」

手際が良いなぁ。
これは逃げられそうにもないかな。

「そうなると私無職になってしまうんですけど…。」
「僕がお世話をするので問題ありませんよ?」
「買い物に行ったりとか出来なくなってしまうのでそれはちょっと。」
「外に出る必要がないので問題ありませんよ?」
「………これはいわゆる監禁ですか?誘拐ですか?」
「いいえ?愛の逃避行です。」
「逃避行の意味をご存知ですか?」

安室さんは笑顔のまま首を傾げている。
これは何を言っても現状は変わらないなぁ。
よし!
ポジティブに考えよう。
こんなイケメンと一緒に暮らせるし、雨風が凌げてお腹いっぱいにご飯も食べさせてもらえそうだし、外に出るということ以外は何にも不自由が無さそう。

「もうお昼ですけど、お昼ご飯どうしますか?」
「サンドイッチ食べたいです。」
「理央さんはサンドイッチが本当にお好きなんですね!少し待っててくださいね。」

安室さんは慣れた手つきでエプロンをつけて調理に取り掛かる。
私はおトイレお借りしますと一言伝えて廊下に出て玄関の様子を確認。
あれ?
私の靴がない。

「何してるんですか?」
「わ!びっくりした!」
「何してるんですか?」
「なんで私の靴がないんですか?」
「何故必要なんですか?外に出ることがないんですから必要ないですよね?」

うん、私は本当にこの家に監禁されてるだ。
とても実感出来た。
おトイレはこちらです、と安室さんは私の腰を抱いて誘導してくれる。





“触れた手はとても優しかった”
(酷いことはしないでくださいね?)
(僕が理央さんを傷付けるわけありませんよ)





END


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