楽園の夢
□お休みの日
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「や‥‥、やだ、ジョン‥‥‥ン、やめろ‥‥よ‥、ふぁ‥ッ」
「夕べはろくに可愛がってやれなかったしな‥‥」
せっかくの金曜日の夜だったのに、とジョンは、行為をエスカレートさせていく。銀がそれを振り切れないのは、彼も心の片隅で、何もなかった昨日の夜を物足りなく思っていたからだ。早々に寝入ってしまったジョンを、少しだけ恨めしく感じていたからだ。
「でも、ジョン‥‥、んっ‥‥‥」
奥羽の田舎で純朴に育った銀には、真昼間の情事は背徳感が付き纏う。それに、全部丸見えで恥ずかしい。服を脱がされて、真っ赤になってるだろう顔や、潤んでしまっている瞳が全部、真昼の光の下ジョンの目前に曝されるのが恥ずかしくてたまらない。こんな、全身でジョンを好きだと叫んでいるような―――
「‥‥!!‥あッ‥‥!」
自覚してしまうと、もう銀自身でも制御が効かなかった。ジョンが好き、ジョンに見つめられたい、ジョンに触れて欲しい―――その希みが叶おうとしている。止められるはずがなかった。
「ジョン‥‥ジョン‥!」
「可愛いな、銀‥‥。好きだぜ?」
かなり過激なことをしようとしているのに、くちびるにちゅっと触れるだけの可愛いキス。ときめいてとまらなくて銀は、ジョンの背中に腕を伸ばしてしがみついた。
「も、もう‥‥っ!責任、取れ‥!」
精一杯の強がりに、ジョンがふわりとしあわせそうに笑ったのを、銀は知らない。
「仰せのままに‥‥」
かくて上天気の休日、昼下がりまで銀も一緒にシーツに沈むこととなった。後で、ジョンに文句を言いつつ遅い洗濯をするのだが、とりあえずふたりとも、後悔はしていない。
お休みの日
end.