defends
□05.思い出したくない過去もある
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「どうした…?鈴」
「また…戦争に行くんでしょう?」
優しく問いかけた男に鈴はうつむく。
その瞳は悲しげにゆれていた。
「…死なないでよ。
アナタも…銀ちゃんも…ヅラも…大切な人が死ぬのはもう見たくないの」
男は少し黙った後、鈴と目線を合わせるようにしゃがみこむ。
「それはわからねぇが…
俺たちはお前をひとりにする気はない。
頼まれたからな」
「頼まれてなかったら一人にするの?」
男は駄々をこねるように言う鈴の頭をくしゃくしゃとなでた。
「…じゃあな」
「…死なないで」
「心配するな。
お前のところに帰ってくる」
「一人に…しないでよ…
くん…」
バッ
鈴は勢いよく起き上がった。
あたりを見渡せば隣で銀時が、押入れの中からは神楽の寝息が聞こえてくる。
「何よ…」
鈴はうめくように言う。
顔を覆った手はかすかに震えていた。
「いまさらこんな夢…っ」
その頬を涙が伝った。
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