together 

□22.思いはなかなかかみ合わない
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綱崎のアジトに監禁されて一日が過ぎました。


今現在どうやらあたしの監視役になったような十七歳の少年に話しかけています。





「お〜い。

・・・・お〜い」



「・・・・・・・」




「お〜い。
おいって!オイそこの十七歳!!」



「十七歳って何だよ!?名前じゃねェよ!!
ってか絶対お前のが年下だろ!?」



「ハァ!?
あたし十八歳だっつーの!!テメーより年上だ!!」



「!?・・・嘘だ!!
お前みたいにガキくさい奴が俺より年上なわけねェ!!」



「テメーにだけは言われたくねぇよ!!」





ちょっとあたし最近言葉遣いが荒れています。


困ったなぁ。






「じゃあなんて呼べばいいのさ」



「ああ・・・じゃあケイタ様って呼べ!!」





・・・コイツあっさりと自分の名前明かしたよ・・・。


やっぱ馬鹿だ。






「わかったわかった。じゃあケイタ。
聞きたいことがあるんだけど」



「様!!様がない!!
・・・で、なんだ?」



「今どういう状況なの?
アンタずっとあたしのそばにいるけど・・・」



「今綱崎さんたちが今後のことを話し合ってる。
たぶんそろそろ終わると思うが・・・俺は話し合いには加えてもらえないから」






すこし寂しそうな表情のケイタを見ていると疑問がわいてきた。





「・・・なんでアンタこんなところにいるの。
やっぱアンタも幕府のことが憎いと思ってるの?」



「俺は・・・両親が攘夷志士でさ。
ふたりとも真選組にやられたんだ・・・。

そんなときにお前の父さんに拾ってもらって以来ここにいるんだ」



「父さんが・・・」



「そう。で、俺もお前のこと頼まれてるんだ。
美羽を頼むってな」



「アンタなんかに頼んでも何にもならないだろうにねぇ・・・」




・・・父さんは、あたしのこと


少しは気にかけてくれてたのかな?



最近少しだけそう思えてきた。



ずっとほったらかしにされてると思ってたんだけど・・・。






「だからさ、俺からも頼むよ。


美羽」


       ・・
「・・・美羽さんだろ。
さんをつけろ」



「・・・美羽、さん。

一緒に真選組を潰そう。
俺たちは似たもの同士だ。親を殺されて・・・
きっと分かり合える」





ケイタの目には熱意がこもっている。



きっとあたしが自分と一緒で真選組を恨んでいるとでも思ってんだろう。




分かり合えるねぇ・・・。



そんなこと言われたって・・・





「ケイタ。あたしたちが分かり合えることはないよ。
あたしにとって・・・


真選組のみんなの存在は、大きくなりすぎちゃったんだー・・・」




ねぇ、沖田さん




だからあたしは・・・




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