もしこの気持ちを恋だというのなら、

□06.
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「美月ちゃんっ・・・。
美月ちゃん!!」



聞きなれた神楽の声にあたしは振り返る。


と、その途端勢いよく神楽に抱きつかれた。


あたしはバランスを崩しかけるがどうにか耐える。



「おわっ・・と・・・。
どうした?神楽」


「美月ちゃん、美月ちゃ・・・っ」




あたしの質問には答えずにただただあたしの名前を繰り返す神楽にこれはただ事ではないと、


ようやくあたしは気づいた。





「神楽、落ち着いて。
落ち着いて・・・話して」


「ぱ、パピーと兄ちゃんが・・・・!!」


「おじさんと神威が・・・?」


「いいからっ早く来てヨ!!」





そうして神楽に連れられて二人の元に向かった後のことは…



あまり、思い出したくない。











「――――っ!!!」





体が風を切る感覚にあたしは目を覚ました。


ああ、落ちてるんだと気づいた瞬間誰かがあたしを守るように強く抱きしめていることに気づく。






「〜〜〜〜〜〜ッッ!!」







ぎゅっと強く目をつぶりながらもあたしを放そうとしない神楽。


そんなこの子が愛しくてあたしは力なくぶら下げていた腕で神楽の頭を抱き寄せた。





「っ美月ちゃん…?」





驚いたような神楽の声は無視してあたしはどこかに掴まれるようなものはないか探す。


そのときあたしの腕を銀さんが掴んだ。





「銀さん・・・」


「おい、美月大丈夫か!?」


「・・・あたしより上の心配をしたほうがよさそうだよ」





可愛げもなくそう返したあたしの言葉に銀さんが上を向くとそこには月詠さんが掴んでいたパイプ管がいまにも崩れそうになっていた。





「げっ・・・・」





あたしは落ちだした瞬間とっさに神楽の体を抱きかかえた。



銀さんは・・・


どうにかなるでしょ。



あとは新八くん・・・





「うわァ!?
あ、美月さ・・・・」


「じっとしててね」





あたしは新八くんもつかむととりあえず着地した。









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