小説。

□春
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「春ですね…」

彼女は毎年春が近づくと、決まって二人きりのときに言ってくる。

「……そうだな。」

俺は彼女が作った菓子を食べながら適当に言い放った。

「…おいしい?」

「…うん…。」

そっかぁと彼女はほっと息を吐いた
まぁ、おいしいんだが俺には少し甘すぎる。

「…なぁ、リン…甘いよな。」
「…………」

「リン?」

「…レン、桜を見に行かない?私の前のリンは、桜が好きだったんでしょ?」

「…あぁ…」

そうだな。
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