:happy☆star

□4.お昼ごはん
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「うぅ・・・、梓・・・」

私が星月学園に来てから二日目。
クラスにも早くも馴染め、
楽しい学園生活をおくれそうだった。

そう。

おくれそうだったのだ。

「なんでこんな宇宙食なんか食べないといけないの〜!」

「もう、ふみうるさいよ」

「そうだぞ!」

宇宙科に入ったからには宇宙食を食べなければならない。
それを知らなかった私は、また絶望的な時間に浸っていた。

せめて

せめて


おいしいものが食べたい。

だってお昼だよ。

お昼ごはんだよ。


これごはんじゃないよ。

っていうかこの二人おなかすかないのかな。

・・・聞いたら返される言葉はもうわかっている。


「よしっ僕は教室に戻るよ」

「うぬ!俺も生徒会室に行くぞ」

そういいながらわたしに手をふり二人ともどこかに行ってしまった。

・・・。

・・・。

うーん。

やっぱりおなかすく。
何か気を紛らわすことをしよう。

そう考えた私は

校舎の周りをうろついてみることにした。













ここの学校のシステムはほとんど理解していた。
絶対に迷わないはずだ。














あれ。













ここ。













どこだ?











まさか迷ったなんて・・・。
















また馬鹿と罵られる・・・。








ポンッ。



そんなことを考えていたとき、後ろから肩をたたかれた。
後ろを振り向くと・・・

「ふみちゃんだよねっ?」

美少女が立っていた。
呆然と立ち尽くす私に次々と話しかけてくる。
確か梓がまえに言っていたのはこの人のことだろう。
っていうか可愛いな。
私とは大違い。
あはははは。

「月子、そんなに話しかけたら彼女困るだろ・・・」

「ふーん、こいつが登校拒否生徒だった奴か」

「ねぇ月子、僕おなかすいたんだけど、はやく食べようよ」


花には華をって奴ですか。
び・・・美少年までっ!
どんだけすごいのこの先輩。

「あ・・・えっとごめんね。私二年の夜久月子っていうの。よろしくね」

うん。
可愛い。
しかもやさしそう。
「私は雪村ふみです。一年の宇宙科で、えっと・・・」

「翼君のお友達でしょ?翼君うれしそうに話してた!」

「あぅ・・・まあそんなとこです」

「それでこの三人は・・・」

月子先輩が後ろの美少年軍団の説明をしようとしたときひとりが口を開いた。

「俺は東月錫也。よろしく」

「おっ俺は七海哉太だ!」

「・・・」

「よ・・・羊くん?」

錫也先輩に哉太先輩、あとは羊先輩?なのかな・・・。
なかなか口を開いてくれない。

「・・・土萌羊だよ。僕の月子とらないでね」

一同唖然。

というよりあきれてぽかんと口を開けている。初対面でこれですか。
やれやれというふうに錫也先輩が空気をなだめてくれた。


「それじゃ弁当食べるか・・・」

そういって中庭へと移動した。






「・・・何ですかこれ。おいしすぎます」

「ふふ。錫也の作ったお弁当、おいしいでしょ」

「錫也はおかんだからなぁ!」

「そういってもらえるとうれしいよ。
・・・哉太?」


錫也先輩の料理はすごくおいしい。
哉太先輩がおかんという意味もよーくわかる。

錫也先輩がなにやら黒い笑みで見つめてくるので何もいわないことにした。

「それにしても羊先輩さっきから食べてばっかり・・・」

もぐもぐ。


もぐもぐもぐ。

はむはむ。


はむはむはむ。



何も話してくれない。
ただ食べるだけの羊先輩。
なにやら真剣におにぎりを食べてるようだ。



なかには、



とろっとしたチョコレートが










ん?







ちょこれぇとおおおおおおおおおお?




「よ・・・よよよ羊先輩!何ですそれ!?」


「おいしいよ。食べる?」


ちょこれーとおにぎりをさしだして来たのでいりませんと断った。



恐るべし


羊先輩!!!!






それから少し経ったころだろうか、

「ふみっ!」


梓がきた。

「探したんだよ。なかなか戻ってこないし、ふみ馬鹿だから迷ったのかと思ったよ・・・って」

「ん」

「ん・・・って」

「ちょっと梓食べてみてよ錫也先輩の手料理。おいしいよ。ほれほれ」

「・・・お腹すいたからって他の人の昼食まで取るほど食い意地張るなんて僕も思っってなかったよ」

「いやそういうわけじゃ・・・」

「うちのふみがお世話になりました。しっかり躾しておきます!!ほら行くよ、次授業移動だから」

「ぬーん・・・」

「翼の真似してもときめかないから。
ほら早く・・・」

「はーい。先輩方!また一緒にご飯食べましょうねー」

「うん。私も楽しみにしてるよ」

「こんどはお菓子でも作ってくるよ」

「またなー」

「・・・月子に手ぇ出さないでよね」










手を振りかえしながら私は梓に引きづられ教室に戻った。














(別にもう遊ばなくても良いのに・・・)









「ん?梓どうかした??」





「別に・・・なんでもないよ」

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