True memorys

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私の持ってる最後の記憶は、彼女がにっこり笑って

「死 ん で ?」

まるで無声映画のように呟いていた記憶。









――――――……



そこで私は目が覚めた。


そしていつも通り1人の家を出て学校に向かう。


いつも通り無視されて、殴られて蹴られて、だけど文句も言えずに黙っている。




いつも、通りに?


ふと、思った。
私は「私」だけど「私」じゃない。

じゃあ、誰?




「考え事なんて余裕だね?」

その言葉を聞いた後、すぐに鳩尾に鈍い痛みがまた走る。



そうだ、今はそれどころじゃない。


なぜかテニス部に呼び出されて殴られ蹴られ、私は屋上の床に這いつくばっているのだ。

朝っぱらから何が起こってるんだ。



「早く死ねよ、マジキモい。」


今度は赤髪の男に腕をギリッと踏まれた。


痛い痛い痛い。

腕が折れる、痛い!!!



「…おっと、そろそろ時間だな。精市、戻ろう。」

「ああ、そうだね。
ねぇ、また可奈に手を出したら…今度こそ潰すからね。」



ヘアバンドをつけた男はそう言うと、他の五人と一緒に屋上を出て行った。


取り残された私は、1人ぽつんと這いつくばったまま頭を必死に働かせた。



まずは、なぜ私はこんな目にあったのか。

そもそもな話、彼らのことはテニス部としか記憶がない。


だけど呼び出される前に盗み聞いた、クラスのコの話では私はテニス部のマネージャーらしい。


記憶が、ない。


これはいわゆる、記憶喪失ってやつだったり?


だとすればいつも通りに違和感を覚えたのも、納得がいく。


頭が覚えてなくとも、体は習慣として行動を覚えていたらしい。




とりあえず、体の傷を癒すために夢の世界へ旅立つのが優先か。


ちょうど授業の始まりを示すチャイムを聞いた瞬間、私は瞼を閉じた。
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