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□真夜中のラブコール
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『寝れない…!』
真夏の夜、なんとなく寝れなくて布団に入ってから一時間が経過。
枕元の携帯を開くと、時間はもう1時を過ぎていた。
携帯をカチカチいじって画面に表示したのは、彼の名前と電話番号。
『もう寝てる、かな…』
そう思っても、寂しくて声が聞きたくて。
少し葛藤した結果、ついに我慢できずに私は通話ボタンを押した。
(プルルルル…プルルルル…)
「…もしもし?」
『あ、えっと、リョーマ?』
「どうしたの、こんな時間に。」
『…やっぱ寝てた?』
「別に平気。それよりアンタは?どうせ寂しくて眠れなかったんだろうけど。」
『(バレてる!)ご、ごめん!なんか、リョーマの声聞いたら眠れるかもって思ったら電話しちゃって…』
「……。」
『…リョーマ?寝ちゃった?』
「…大丈夫、起きてるから。それより電話、しててあげるから寝たかったら寝なよ。」
『あ、ありがとう!』
案の定リョーマの声を聞いていたら、安心したのか睡魔は急に襲ってきた。
まだ、最後に、言わなきゃ…
『りょーま…ありがと…大好きだよ…おやすみ…』
朦朧とする意識のなかでそれだけ言い、私は瞼を閉じた。
もちろん電話先でリョーマが顔を真っ赤にしたのなんて知らずに。
真夜中の電話で、
(寝言は反則…っ!)
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(翌朝)
((…あたし…昨日の夜もしかしてとんでもないこと言った…!?))
((今度は俺から電話してみようかな。))